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ソーシャルがもたらすイノベーションが企業の意思決定プロセスを変える

  • 安井 晴海

  • 下玉利 尚明

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2013年10月1日(火)

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 「ソーシャル活用によるイノベーションが企業の意思決定プロセスを変える」。ガートナー ジャパン リサーチ部門 ソーシャル・ネットワーク&コラボレーション リサーチ バイス プレジデントの志賀嘉津士氏はこう語る。現在、多くの企業が社内のコミュニケーションの活性化や情報共有、新規商品やサービスの開発など、様々な領域でソーシャルメディアやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用している。

 ソーシャル分野では、テクノロジードリブンによるイノベーションは起こりにくく、ソーシャルを運用する「人間による」イノベーションがもたらされる。企業におけるソーシャルは、導入から単なる利用を経て、今、ようやく新たな活用=イノベーションの時代へと入ったのだ。

 ガートナーが提唱する「The Nexus of Forces(力の結節)」にある「クラウド」「ソーシャル」「モバイル」「インフォメーション」の中で、ソーシャルは他の3つのフォースと連鎖することで、その力がより大きくなる。新たな活用法が模索され、企業を変革する力となりつつあるソーシャル。そして、それがもたらすイノベーションとは。志賀リサーチ バイス プレジデントに聞いた。

(聞き手は安井 晴海=ITpro副編集長、構成は下玉利 尚明=タンクフル)

社内におけるコミュニケーションの活性化と情報共有、企画・開発におけるコラボレーションなど、企業活動の様々なシーンでSNSを活用する企業が増えてきている。しかも、従来とは異なる新しい活用法を模索している企業も多いようだ。「変革の兆し」を感じる。これをどうとらえているのか。

志賀 嘉津士(しが・かつし)氏
ガートナー ジャパン リサーチ部門 ソーシャル・ネットワーク&コラボレーション リサーチ バイス プレジデント。情報システム/PC関連編集者、記者職を経て現職。データクエスト ジャパン (現ガートナー ジャパン) 入社後はPC産業/市場関連動向や個人、企業内個人のIT需要調査分析を担当。現在は企業向けアプリケーションソフトウエア分野で、電子メール、グループウエア、SNSなどのコラボレーション領域や、サーチエンジン活用、インターネット活用による新たなワークスタイルの変革など、情報活用領域全般をウォッチしている。著書に『[入門]ユビキタス・コンピューティング』(NHK出版、2004年) がある。

志賀:SNSに代表されるソーシャルサービスと、それが実現する情報共有やコラボレーションといった活動には、すべて人間が深く関与している。これらは、ビジネスにおける「人間系」の領域であり、ここではテクノロジードリブンでの変革は起こりにくい。人間によってイノベーションがもたらされる分野と言える。新たな技術が現在のSNSを進化させるのではなく、それを利用する人間がSNSの「新しい活用法」を見いだしていくということ。つまり、SNSが変わるのではなく、SNSの運用方法が変わるのだ。

 単純にSNSの運用方法が変わるとだけ理解してしまうと、それほど大きな影響はないように思えるが、そうではない。SNSの新しい活用は、企業活動そのものを変化させていく大きな力を秘めている。これをソーシャルにおけるイノベーションととらえている。

 ガートナーでは、今、ビジネスやITの世界が4つの大きな力で突き動かされていると考えている。それが「Nexus of Forces」だ。このForces(フォース=力)とは、「クラウド」「ソーシャル」「モバイル」「インフォメーション(ビッグデータ)」であり、これら4つの力が組み合わさり、お互いに連鎖することで、さらに大きなパワーが生まれ、ビジネスやITに変革をもたらしている。

 このうちソーシャルは、クラウドやモバイルといった新しい技術と連動することで、「いつでも」「どこでも」「誰でも」が「素早く」利用できるものとなった。その結果、ソーシャルはビジネスの様々な領域に浸透し、効果的に活用されるようになっている。

 分かりやすい事例では、多くの企業が社員の意見を広く吸い上げボトムアップを図るためにSNSを活用している。ここに、今、まさにイノベーションが起きようとしている。新しい活用方法が模索され、生み出され、実際に使われ始めている。人間系という話をしたが、人間が関係する領域はイノベーションが遅れていた。今、ようやくソーシャルの分野でイノベーションが起こりつつあり、それが企業活動に変革をもたらそうとしているのだ。

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