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次の売上目標1000億円は「通過」点

焼酎でトップになった霧島酒造の江夏拓三専務に聞く

2013年10月28日(月)

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 仕事で疲れ切ったビジネスパーソンの心と身体を癒やしてくれる“魔法の薬”、お酒。その中でも愛好者が多い焼酎の業界で起きた、売り上げトップ企業の逆転劇が巷で話題をさらっている。「いいちこ」のブランド名で知られる三和酒類(大分県宇佐市)を抜いて、初の栄冠を勝ち取ったのが、黒麹を使った芋焼酎「黒霧島」を展開する霧島酒造(宮崎県都城市)だ。

 帝国データバンクが8月にまとめた「2012年の焼酎メーカー売上高ランキング」によると、2011年度(決算期:2012年1月期~12月期)は、霧島酒造の売上高が515億7200万円と、前の年まで9年連続で首位を守っていた三和酒類の503億2500万円を上回った。新商品の開発や斬新な広告・宣伝で同社を引っ張ってきた江夏拓三専務に、売り上げ拡大のポイントや、近く迎える創業100周年に向けた次なる戦略を聞いた。(聞き手は松村伸二)

江夏 拓三 氏
霧島酒造 代表取締役専務・企画室室長
1949年生まれ。77年早稲田大学商学部卒、霧島酒造入社。87年常務。92年企画室室長兼務。96年専務。2000年から現職。創業者の江夏吉助氏の孫にあたり、兄の江夏順行社長の下、斬新な新商品開発や広告・宣伝で同社を引っ張ってきた。

焼酎の売上高で初めて全国トップになりました。

江夏拓三専務(以下、江夏専務):今の売り上げの約85%を占めている商品が黒麹を使った「黒霧島」です。これは1998年6月に発売したものですが、2000年代に入って二ケタの売上増が8年も続くなど、この商品がずっと伸び続けてきたことが今回の首位獲得につながったわけです。

 我が社の元々の主力は白麹を使った「霧島」で、今でも根強いファンがいます。この商品は今では黒霧島に対して「白霧島」と呼ばれています。この白霧島とは全く違うコンセプトを打ち出した黒霧島が、九州だけでなく、東京や大阪などの都会で受け入れられています。

黒霧島が世に出るまでは苦難の道が続いたそうですが。

江夏専務:黒霧島を発売する2年前の1996年、2代目社長で私の父でもある江夏順吉が亡くなりました。彼はシェパード犬のような嗅覚を持っていたと言われるぐらいの利き酒の名人で、当時は「日本の3大ブレンダー」の1人と言われていました。

 父がいなくなり、3代目社長を受け継ぐことになった私の兄、江夏順行と顔を見合わせながら、「いよいよ、ほかの会社に乗っ取られるかもしれない」と不安にかられました。その時期、我が社は焼酎業界で8番目でした。上にいた7社の経営者は業界の中でも「やり手」のおじさんたちばかりで、若い我々がやられてしまうと思ったものです。

 そして、うちより小さかった会社も次々に追い越していく。他社のテレビコマーシャルもどんどん流れる。ビジネスの世界は戦国時代と一緒です。私が会社に入ってから20年間ぐらいは、ずっと悔しい思いを続けてきました。

焼酎業界は革新・改革の歴史

当時、他社に比べて何が欠けていたのでしょうか。

江夏専務:他社は確かに伸びていました。焼酎業界で伸びてきたところは皆、革新や改革を実現してきたところでした。

 例えば、そば焼酎。そばの実は、それまで焼酎の原料としては全く使われていなかったものです。それを健康のイメージで取り入れたのです。

 麦焼酎も、一昔前は舌にピリピリ感がありました。それをどうしたかというと、イオン交換処理の技術開発により、飲みやすくしたのです。減圧蒸留という大革命もありました。

 このように焼酎業界というのはすべて、革新や改革を経て伸びてきたということに、その時、気付いたのです。

 うちも革命を起こさなくては、単独では生き残っていけない。実力がなくても戦う覚悟をし、そういう忸怩(じくじ)たる想いが会社全体を動かしました。「創造開発型企業」を目指すことを決心し、その使命感の下に考えついたのが「食に合う焼酎」のコンセプトでした。

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「次の売上目標1000億円は「通過」点」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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