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注目された「オーディオブック」は今どうなっているのか?

久保田裕也オトバンク社長に聞く「聴く本」の可能性

2013年11月5日(火)

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 世界で2000億円ほどの市場規模があるオーディオブック市場。日本では2007年に参入する業者が相次いだが、その後撤退するサービスもあり、なかなか「ブレークしない市場」と言われている。だが、今年「ドイツでは電子書籍よりも伸びている」といったニュースが舞い込んできた。いま日本ではどうなっているのか?久保田裕也オトバンク社長に現状を聞いてみた。(聞き手=瀬川明秀)

オーディオブックといえば、日本では、かつて老舗出版社が小説の朗読をカセットテープなどで販売していました。あと、海外の本屋さんではよく見かけるなぁという程度の認識ですが、改めて、オーディオブックとは何か、現在の商品について教えて下さい。

久保田裕也
 東京大学経済学部経済学科卒業。外資系投資銀行・米系コンサルティング企業・IT・消費財(アパレル)・不動産などの非公式案件から招集を受ける。証券化Structuring分析、外資系メーカーの日本進出支援、LaterStage企業の組織改善、人材戦略構築を主に経験。2007年1月執行役員就任、2月取締役就任、2009年10月より取締役副社長就任、2011年3月より代表取締役副社長、2012年3月より現職。

久保田:文字通り、“聴く本”です。主に書籍などを俳優、声優が朗読したものが中心で、おっしゃる通り、米国では、紙の書籍とほぼ同じ時期にオーディオブックも発売されるなどサービスとして定着しています。こうしたパッケージ販売に加えて、インターネットの普及で、音声ファイルをダウンロード販売するオンラインサービスが登場しており、順調に拡大しています。iTunesでは1つのカテゴリーになっており、米国では1000億円、世界全体では2000億円以上の市場と言われています。

日本ではどうですか?

久保田:日本でも出版社が、かつて、有名俳優や作家本人が著書を読みあげる作品などをカセットブック、CDブックという名前で販売したり、有名経営者の講演などをとりまとめたものはありました。が、「本と一緒にオーディオブックを発売する」とか、「ベストセラーを朗読したものを聴く」ような文化は日本にはなく、正直、認知度も高くありませんでした。その後、私たちがオーディオブックのダウンロード販売を始めた2007年頃に10社以上がオンライン形のサービスに参入したのですが、この時期が日本のオーディオブック黎明期になると思います。

なぜ日本では定着しなかったのか

ネットサービスの代表例として注目されていたが、その後、撤退するサービスも多かったそうですね。そもそも日本では、なぜサービスがなかったのか?もしくは定着しないのでしょうか?

久保田:日本では、街中にも身の回りではイヤホンを付けている人たちがたくさんいます。ラジオはもちろんのこと、音楽やポッドキャストに慣れ親しむ文化はあるんです。子供の頃から、音を聴いたり音で遊ぶことに親しんでいるし、中高校生までは語学の勉強も音を通じて勉強している。あと深夜のラジオ放送にも親しんでいるんです。ただ、大学生以降になると、音楽はともかく、「音声」で情報を得る機会が極端に減っているんですね。

 で、日本になぜ定着しないのか?との質問に対しては、まさに「鶏が先か卵が先か」の問題で、日本にはサービスがなかったからです。そもそも、書店にもオーディオブックがないんだから、知らないのも当然です。逆に、米国のように、ベストセラーの本となると、同時に「音声」になって出回るようになれば、当然、買う人がいるのだと思います。

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「注目された「オーディオブック」は今どうなっているのか?」の著者

瀬川 明秀

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ビジネスアソシエなどを経て、日経ビジネスオンライン開設後はオンライン編集がメインの業務。2012年からは日経BPビジョナリー経営研究所の研究員を兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官