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「あまちゃん」を成功させた“3つの博打”

NHKプロデューサーが明かす「電気が走った瞬間」

2013年11月11日(月)

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能年玲奈が演じた天野アキ

 多くのファンに惜しまれつつ9月末に放送を終えたNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」。最近も鉄道会社のイベントで「北三陸駅」が期間限定で出現したり、作品中のアイドルユニット「潮騒のメモリーズ」の紅白歌合戦出場が期待されたりと話題が絶えない。日本の朝にイノベーションを起こした同番組はいかにして生み出されたのか。訓覇圭チーフ・プロデューサーに聞いた。

「あまちゃん」は朝の連続テレビ小説に対する世間の意識を変えたと言われています。制作にあたって、「マンネリ化している」との声もあった従来の朝ドラを大きく変えようという意識はあったのでしょうか。

訓覇:実は僕らは新しいものを作るという気持ちはゼロだったんですよ。面白くないかもしれませんが、「何か新しいことをしたい」「ドラマで新しいものを見せてやるんだ」という気持ちを、そんなに持たずにやった。それがとても良かったなと思っています。むしろ伝統的に朝ドラ(=朝の連続テレビ小説)がやってきたことを「大事に思って作る」ということを大切にしていました。

えーっ、意外ですね。アイドルなどNHKの従来の朝ドラにはないテーマを扱ったのは革新的だと私を含む多くの人が感じました。朝ドラが伝統的にやってきた事とは何でしょうか。

訓覇 圭(くるべ・けい)
1967年、京都市生まれ。91年にNHKに入局し、高校野球の番組やドキュメンタリーなどを制作。95年にドラマ部に異動し、「ハゲタカ」や「外事警察」などをプロデューサーとして担当。今年4~9月に放送した朝の連続テレビ小説「あまちゃん」は大きな反響を生んだ。(写真:都築雅人、以下同)

訓覇:それ(伝統的にやってきた事)を探していた、みたいなところなんです。今回のチームのポリシーとしては、まず脚本家が宮藤官九郎さんなので自然と個性は出る。むしろ力まずに、一番プロフェッショナルな仕事をしよう。どれだけの人に見てもらえるかなと力まずに、力を抜いていきたいというのがありました。

 題材は結構、挑戦的です。ただ、それに「挑戦するために」やっているわけではなくて、それが「面白いから」やっている事が大事なんです。最初にイメージしたのは昔の喜劇です。古い日本の喜劇ぐらい、普遍的なものを作ろうというイメージがありました。

 宮藤さんとそういうイメージのもとに何かできると嬉しいな、と思っていた。普遍的なものを作るぞって、イノベーションとは真逆のものですよね。なので『朝を変えた』と周りに言っていただくのですが、自分としては意識していないのでわからないのです。

朝ドラの脚本家に宮藤さんを起用することは「挑戦的」に見えました。

訓覇:そうですか。ベースのところから話すと、朝ドラをやりたいと思ったことが僕にとっては大事なのです。そして宮藤さんと一緒にやりたい。それが全てかもしれない。

 あまちゃんの企画が最初に始まったのは2011年です。東日本大震災の時は、僕はほかの仕事をしていました。内容的に放送を途中で止めたものや、シナリオを作り変えたものもありました。そういうことをしながら、次にやるとしたら朝ドラならできるかもしれない、と思っていました。あまちゃんの気分を貫いているのは、そこらへんから始まります。朝ドラって時刻が出ますよね、画面の左上に。「時計代わりのドラマ」と言われている。通常はNHKの中でも自虐的な意味で使われるのですが、ものすごくポジティブに見えた。

 作品性がどうのこうのではなく、もっと生活に根付いているものです。僕も明るくなりたいし、見ている人も明るくなりたい。作品性のようなものとはかけ離れて、とにかく喜劇、笑えるものをやりたいと考えたのが2011年5月です。生活に根付いていて、とにかく笑えるものにしたいと思ったときに「宮藤さんだ」って思ったんです。実際に宮藤さんに会った時に、「テレビドラマだけは明るいものにしたいっすよね」とおっしゃっていて、気持ちを共有できた気がしました。

ユニークなテーマや番組づくりのメンバーはどのように決めていったのですか。

訓覇:打ち合わせをしている時に、町おこしがいいねという話になって、宮藤さんが「地元アイドルってどうすか」「地元アイドル、方言を書きたい」と。その時に電気が走ったんです。どの作品をつくるときも、1回電気が走ります。「いける」っていう瞬間なんですよ。

 朝って安心感が必要なドラマだと思うんです。宮藤さんの作風と安心感を折り合わせていくのが僕の仕事だとしたら、安定したストーリーがいいと思っていたんです。そこに宮藤さんが考えると地元アイドルになるんだと。すごく大事にしているのは「楽しく書ける」って宮藤さんがおっしゃったことです。

 プロデューサーは「旗」みたいなものを挙げていく仕事だと思っています。宮藤さんが朝ドラの脚本を書きますっていうのは大きなこと。それで人を集める、人を口説くのが僕の仕事です。旗のキーワードは『楽しい』でした。周囲を口説きやすいのは「宮藤さんで朝を変えます、朝を壊します」とか「宮藤さんで朝にチャレンジ」とかなんですよ。でもそうじゃない、僕たちは楽しむんだ。朝を楽しむ。その姿勢は一貫していましたね。

コメント8件コメント/レビュー

朝ドラのオンエアとほぼ同時に関連イラストが(特に何人ものプロによって)Upされるようになったのは「ゲゲゲの女房」からですよ。「あま絵」が”これまでなかった現象”というのは誤認です。(2013/11/11)

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「「あまちゃん」を成功させた“3つの博打”」の著者

佐藤 浩実

佐藤 浩実(さとう・ひろみ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社で電機、機械、自動車を6年間取材。13年4月に日経ビジネスへ。引き続き製造業を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

朝ドラのオンエアとほぼ同時に関連イラストが(特に何人ものプロによって)Upされるようになったのは「ゲゲゲの女房」からですよ。「あま絵」が”これまでなかった現象”というのは誤認です。(2013/11/11)

あまちゃん視聴後感はホント何も無い、パロディー以下の悪ふざけと下品な笑いだけだった。NHK朝ドラであの内容を流す神経を疑う。内容に触れずにマスコミが総絶賛して偽りのブームを盛り上げ。庶民が何となく流行ってるらしいと飛びつく可笑しさ。ビジネスモデルにぴったりですね。(2013/11/11)

何回か見たが、そんなに大騒ぎするほど面白くなかった。マスメディアに作られたブームに過ぎないと思う。特に「じぇじぇじぇ」は耳障りで気分が悪くなった。やっと終わってよかった。(2013/11/11)

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川野 幸夫 ヤオコー会長