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日本のデフレと欧州の相似形

田中理・第一生命経済研究所主席エコノミストに聞く

2013年12月5日(木)

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 欧州が物価上昇率が低い状態にある「ディスインフレ」に入り込んだと見られている。その先にあるデフレから抜け出すことの難しさは、日本の経験が物語る。田中理・第一生命経済研究所主席エコノミストは日欧の共通項を指摘する。

(聞き手は渡辺康仁)

田中 理(たなか・おさむ)氏
第一生命経済研究所主席エコノミスト。慶応義塾大学卒。青山学院大学修士(経済学)、バージニア大学修士(経済学・統計学)。日本総合研究所、日本経済研究センター、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター証券(現モルガン・スタンレーMUFG証券)にて日米欧経済を担当。2009年11月より現職。主に欧州経済を担当。(撮影:清水盟貴、以下同)

欧州ではディスインフレ(物価上昇率の縮小)が鮮明になっています。米国の物価上昇も鈍い状況です。株価は上昇しているのに物価は上がってこない。どう見ていますか。

田中:日米、日欧の消費者物価の上昇率が逆転したのは象徴的です。ただ、エコノミストの立場からは、物価が動いている要因には少し注意が必要だと思っています。

 日本はデフレ基調が続いていて、ようやく水面上に上がってきている。その背景には、原子力発電所の問題でエネルギー価格が上昇していることがあります。日本の物価上昇が需給の改善に裏打ちされているか、やや疑問のところもありますが、エネルギーの要因などを除いても、物価の下落には歯止めがかかっているという状況です。

 欧州はどうでしょうか。11月のユーロ圏の消費者物価指数の上昇率は0.9%。ディスインフレにあることは間違いありません。

 その背景には3つの要因が考えられます。1つ目は税制の変更です。ユーロ圏には財政危機に見舞われて付加価値税を引き上げた国がたくさんありました。危機から数年経ち、曲がりなりにも財政再建は進んでいます。付加価値税を一段と引き上げる国が少なくなり、結果として物価の押し上げ圧力が弱まっています。

 2つ目はエネルギー価格ですが、欧州は日本と違って下落に転じています。そして、需給環境の悪化が3つ目の要因です。景気が低迷して賃金コストも下がり、それが物価にも影響しています。

欧州も日本のようにデフレに陥る可能性はありますか。

田中:日本の場合、デフレに陥るまでには相当の時間がありました。バブルが崩壊して、実際にデフレになったのは1999年くらいです。それまでに7~8年もディスインフレの期間があった。欧州も今はディスインフレにあるのは間違いありませんが、一歩進んでデフレに陥るまでにはまだ時間がかかるのではないかと思います。ただ、やや不気味なのは、日本のデフレの要因と考えられる要素の多くが欧州でも見られることです。

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「日本のデフレと欧州の相似形」の著者

渡辺 康仁

渡辺 康仁(わたなべ・やすひと)

日経ビジネス副編集長

1994年日本経済新聞社に入社。2002年から2004年まで日経ビジネス記者。日経新聞に戻り、編集局経済部などを経て2013年から日経ビジネス副編集長。アベノミクスの行方に関心を持つ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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