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「ゴルフ」が日本で売れる理由

VW開発責任者が語る「モジュール戦略」の神髄

2013年12月24日(火)

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 独フォルクスワーゲン(VW)の新型「ゴルフ」が「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。同賞34年の歴史で、日本の自動車メーカーを押しのけて輸入車が受賞するのは初めてだ。受賞効果も手伝い、11月のゴルフの国内販売は2418台と過去最高を記録した。

 ゴルフは、1974年の発売以来、世界で累計3000万台以上を販売してきた大衆車。欧州では小型車の品質や性能を評価する上で「ベンチマーク」とされてきたクルマである。日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞理由には、「“MQB”というモジュールによる新たな開発手法を採用」という点が真っ先に挙げられている。

 「MQB」とは、クルマの各機能や部位を構成する部品の集まりを「モジュール」と定義し、そのモジュールをブロックのように組み合わせてクルマを作る手法のこと。世界最大の自動車メーカーになることを目指すVWが、目標を達成するための切り札としてグループを挙げて推進している。

 なぜ、ゴルフは高い評価を受けているのか。「MQB」とは、どのようなメリットをVWにもたらすのか。独ウォルフスブルグにあるVW本社で、ハインツ-ヤーコブ・ノイサー開発担当取締役(以下、ノイサー氏)に話を聞いた。

(VWの開発戦略の詳細を、日経ビジネス12月23日号特集「強さの秘密 ドイツ ワーゲン、BMW、ボッシュの革新力」に掲載しています)

新型「ゴルフ」は昨秋の欧州での発売以来、日本など世界の主要市場で高い評価を得ています。フォルクスワーゲンがゴルフのような高品質なクルマを開発し続けられる理由はどこにあるのでしょうか。

ノイサー氏:その理由は、私たちの「プラットフォーム戦略」にあります。VWグループには、3つの主要なプラットフォームがあります。1つ目が「MQB」で、グループ傘下のブランドでエンジンを(進行方向に対して)横向きに置くすべての車種を対象にしているもの(ゴルフはここに含まれる)。2つ目が、エンジンを縦向きに置く「MLB」、そして3つ目が、(スポーツカーなどを対象にした)「MSB」です。

フォルクスワーゲンの開発担当取締役ハインツ-ヤーコブ・ノイサー氏(写真 Hans Rudolf Oeser)

 このプラットフォーム戦略に基づき、各工場は同じ戦略を共有しています。例えば、MQBをベースに開発した車では、似たような生産プロセスを採用することができます。つまり、生産プロセスのすべてを標準化することが可能なわけです。生産プロセスを車種ごとに変える必要がないので、プロセス改善の成果がひとつひとつ着実に蓄積され、高い生産品質を達成することが可能になるのです。

 私たちは最近、中国の寧波でMQBベースの新たな工場を立ち上げました。今後、世界中でMQB対応の工場を増やしていきます。

モジュールを使って開発も生産も標準化

 MQBというモジュールを使ったプラットフォームは、クルマ作りにおける自由度が非常に高い。同じ生産プロセスで異なるサイズのクルマを作れますし、クルマに搭載するパワートレイン(エンジンや変速機などで構成される駆動システム)を簡単に変更することもできます。

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「「ゴルフ」が日本で売れる理由」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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