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出産・育児の壁は「公平さ」で乗り越える

サカイ 阿部千登勢氏(その3)

2014年3月6日(木)

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 キャリアか、出産か。そこに悩みがないといったら、経営者としても、人間としても「ウソ」が生まれる。正面から向き合い、どう不公平感が出ないようにしていくか。母であり経営者でもある阿部千登勢さんの「実践例」とは。

阿部 千登勢(あべ・ちとせ)
岐阜県生まれ。87年、名古屋ファッション専門学校服飾科卒業後、「ワールド」に入社。89年、コム デ ギャルソンに入社。96年、結婚を機に退社。99年、自身のアパレルブランド「sacai(サカイ)」を立ち上げる。ニットとシルクなどの異素材を組み合わせた独自のデザインが、東京、ニューヨーク、パリ、ロンドンのセレクトショップや伊勢丹新宿店などで人気を博す。11年、東京・南青山に初の直営店をオープン。(写真:鈴木愛子、以下同)

安倍政権は女性活用、いわゆる「ウーマノミクス」を目玉政策のひとつに据えています。政府に言われるまでもなく、企業社会の現場にいる私たちは、旧態のままではいけないし、何か突破口はあるべきだと考えています。

 ただ、単なる「女性重用」ではなく、男性にとっても女性にとっても、いい働き方が開拓されないと、次には進めません。その意味で、阿部千登勢さんのような、プロフェッショナルな方のお仕事ぶりが参考になるのではないかと思います。

 阿部さんご自身の仕事観は、いつぐらいから固まっていったのでしょうか。

阿部:そんな大層な話ではなく、起業しよう、などということも、最初から考えていたわけではないんです。

 ただ、たとえば会社に勤めるなら、私にしかできないことを早く見つけて、存在価値のある人間になっていこう、ということは、社会に出た20歳、21歳ぐらいのときから思っていましたね。あと、私の実家は父や母の仲がよくて、楽しい家族でしたので、自分もいい家庭を持つことにあこがれがありました。

会社でいい男性をつかまえて、安定した結婚をしたい、なんてことは思いませんでしたか。

阿部:そういう意識は一切なかったです。大人になって、そういう話を耳にするようになったときに驚いたくらいです。

10代のころから仕事も結婚も、という意識はあったんですか。

阿部:どちらかひとつを捨てねばならない、という気負いはなかったですね。

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「出産・育児の壁は「公平さ」で乗り越える」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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