• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

有機野菜好きは「サヨク」なんですか?

“政治”よりも“消費”で社会を変え始めた日本人

2013年12月27日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日本の民主主義は「コメ騒動」から始まった――。「食」にこだわる一方、 政治意識の薄かった日本人は今、「食の志向」が政治意識に結びつく時代に直面しているとライターの速水健郎氏は指摘する。エコで安全な食を追い求める人々と、メガ牛丼やコンビニ弁当を愛する人々。両者の間にある政治的分断とは。

速水 健朗(はやみず・けんろう)
1973年生まれ。ライター、編集者。専門分野はメディア論、都市論、ショッピングモール研究など。著書に『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)、『1995年』(ちくま新書)など。(写真:都築 雅人)

速水さんの近著『フード左翼とフード右翼』(朝日新書)では、日本人の食のスタイルが実は政治意識と結びついているという、非常に新鮮な視点を提供されています。そもそも日本人の政治観をグルーピングするのはかなり難しいと思うのですが、反響はどうですか。

速水:ネットでの反応は早かったです。しかも最初は、反発に近い反応が多かったですね。食の志向で右翼とか左翼とか分類するなんて乱暴じゃないかと。このことがよく表してると思うんですけど、日本人って右とか左とか、リベラルとか保守とか分けられることにすごく嫌悪感を持つんですね。言霊信仰の民族というのもあるのか、レッテル張りを嫌がるんですよ。政治的に自分がどっちの立場にいるかということを表明したがらない。

 実際には、これまでは自分の意見を表明するよりも隠す方にメリットが大きかったからだと思います。それと、基本的にはあまり政治的判断をしなくても自然選択的に物事が決まってきたせいなんでしょうね。55年体制が終わって既に長いんですが。誰もが関心を持つ政治問題って、だいたいが汚職とかカネの問題、政治家が信用できるとかできないといった問題だった。

 ところがそうじゃない問題が最近になって生まれてきました。それがエネルギー問題や原発、それからTPP(環太平洋経済連携協定)などですね。どっちかに決めないといけない時代になっている。そんな時代には、自分の立場はどっちか、または利益がどちらにあるのかを表明する必要があるんだと思います。その上で、まずはマッピングしてみる。本書は、食においてそれをやってみようという試みなんです。

まず、フード左翼とフード右翼を簡単に定義すると?

速水:「フード左翼」はこの本の中で作った言葉で、紙幅も割いて書いてありますので一言では説明しづらいんですが、食に関しての“理想主義者”といえます。例えば、イタリアで生まれた「スローフード」という地元の食材を伝統的な手法で調理して食べる運動が、マクドナルドへの反対運動を通して「反グローバリズム」という左派運動として広がっていきました。「スローフード」は地域主義という保守運動でありながらも、現代の左派運動の代表的なものなんですね。なので、地域主義、地産地消、自然派食品などにこだわる人々を左に置いて「フード左翼」と定義しました。対して「フード右翼」は現実主義者に相当します。第一義には、グローバルな食の流通や、産業化された食のユーザーということになります。

 日本人はこと「食」に関することになって初めて、政治的に問題を認識してきた歴史があると思うんです。例えば大正デモクラシー運動の発端はコメ騒動だった。そこから日本の民主主義が始まってると考えると、面白い国ですよね。
 現在のTPPの問題でも、金額的には一番大したことのない農業分野の、中でもコメの部分が一番クローズアップされています。1993年の冷害の年には外国産のコメの輸入解禁で、世論が沸騰しました。やっぱりコメなど食べ物のことになると日本人は怒ったり、政治問題だと認識したりするんです。

コメント17件コメント/レビュー

>僕はもともと自分の親世代が中心になった60年代の学生運動やヒッピームーブメントに興味があるんです。もうこれだけで,内容を読む必要がありません。著者は,いわゆる「イマジン歌えば世界は平和になる」と思い込んでいる連中のひとりです。団塊・全共闘世代の尻尾であり,実際のところ,左翼でもない。免疫のない小金持ちが,赤い熱病にかかったに過ぎない。(2014/01/02)

「キーパーソンに聞く」のバックナンバー

一覧

「有機野菜好きは「サヨク」なんですか?」の著者

秋山 知子

秋山 知子(あきやま・ともこ)

日経ビジネス副編集長

1986年日経BP社入社。日経コンピュータ、日経情報ストラテジー、日経アドバンテージ、リアルシンプル・ジャパンの編集を担当。2006年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>僕はもともと自分の親世代が中心になった60年代の学生運動やヒッピームーブメントに興味があるんです。もうこれだけで,内容を読む必要がありません。著者は,いわゆる「イマジン歌えば世界は平和になる」と思い込んでいる連中のひとりです。団塊・全共闘世代の尻尾であり,実際のところ,左翼でもない。免疫のない小金持ちが,赤い熱病にかかったに過ぎない。(2014/01/02)

スローフード、有機栽培食物、反原発、エコロジー、みんな生活に余裕のあるお金持ちだけのお遊びって事ですよ。自分の手だけは綺麗にしておきたいって気持ちは分からんでもないですが、それでは貧民は生きられません。清貧な生活には金がかかると言われてたのを思い出しました。(2014/01/01)

なんとも新鮮な見方に驚いた。反原発、エコロジー、スローフード等の考えは60億の人を養うということからいうと富裕層にしか許されない贅沢になってしまう。生活をより普通、自然にちかずけようとすればするほどコストがかかるという矛盾。中国の今、おむつにしても水にしても空気清浄器にしても買えるのは富裕層のみ。極端な話、富裕層は生き残るために、地球にやさしくするために排外主義に落ち込むことさえありうる。(2013/12/30)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授