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渇望されるのは「時代に足りていない」もの

小沼大地・クロスフィールズ代表(その3)

2014年1月22日(水)

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小沼大地(こぬま・だいち)
NPO法人クロスフィールズ代表理事。
1982年生まれ、神奈川県出身。一橋大学社会学部・同大学院社会学研究科修了。青年海外協力隊(中東シリア・環境教育)に参加後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。2011年、NPO法人クロスフィールズ創業のため独立。企業人が新興国のNGOで働く機会を持ち、本業のスキルを社会問題の解決に役立てる「留職」というプログラムを提供している。世界経済フォーラム(ダボス会議)のGlobal Shapers Community(GSC)に2011年より選出。(写真:鈴木愛子)

古市:小沼さんは、普通の起業家ではなく、「社会起業家が通る道」、というものがあると思いますか。

小沼:病児保育のNPO法人フローレンスの駒崎弘樹さんは1979年生まれで、いわゆる社会起業家の草分け的存在だと思いますが、駒崎さんが通った道というのは意識しました。彼が活用したサポートの仕組みは自分にもきっと役立つはず、と戦略的に参考にさせてもらいましたね。

古市:ああ、駒崎さんは“社会起業家の成功モデル”なんだ。

小沼:そう思いますよ。何もないところから道を切り拓き、社会的に応援されるまでの“型紙”を作った感じがします。あの型紙を使えばうまくいきそうだ、と僕らのような第2世代に大きな影響を与えたんじゃないですか。

古市:社会起業家という存在は2000年代後半からブーム化している気がしますが、やはり、小沼さんも「社会起業家になる」と決めて起業したんでしょうか。

小沼:そうですね。言葉として、「これは自分たちの姿勢をわかりやすく伝えられる言葉だ」と思ったのは確かです。

 もちろん、社会起業家ブームに単に乗っかりたかった、というわけではないですよ。やりたいことを一気にグッと広げていくために活用できるものは活用すればいいのでは、という感覚です。

古市:プレゼンすることを考えると、社会起業家という「見せ方」でブランディングすればわかりやすい、と。

「応援してもらいやすい」ことは重要だ

小沼:そうですね。わかりやすいですし、実際に、世の中からの応援も集まりやすいと感じました。

 NEC社会起業塾での事業ブラッシュアップやソーシャルベンチャー・パートナーズ東京からの投資など、駒崎さんが受けてきた社会起業家ならではのサポートを僕たちも意識して受けてきました。

古市:当時から駒崎さんと親交はあったんですか。

小沼:ありました。たまたまですが、社会福祉分野を研究している友人の学者が駒崎さんと親交があって、僕に紹介してくれました。

 ちょうどその時がコンパスポイントの企画をしていた時期で、実はコンパスポイントの「情熱の魔法瓶」というコンセプトを名付けてくれたのは駒崎さんなんです。

古市:ああ、だから“暑苦しい”ネーミングなんだ(笑)。

小沼:ははは。まあ、暑苦しいですよね(笑)。でも本当に、彼からは大きな影響を受けています。

古市:組織を株式会社ではなく、NPOにしたのはなぜですか。

小沼:理由は二つあります。

 一つ目は、様々な人たちとビジョンを共有して、応援されながら事業を進めたかったからです。たとえば新興国側の団体に対しても、「おまえら企業からお金をもらって、俺たちを利用しようとしているんだろう」と誤解されたくないんです。

 NPO法人であることは、「クロスフィールズはあなた方の社会課題に取り組む姿勢を本気で日本企業に伝えたいと思っている。一緒に彼らを変えるために手伝ってください」といった伝え方をストレートにするための旗印のようなイメージです。

古市:応援してもらいやすくするための旗印。

「NPOで働く」ことを、働き方の主流に

小沼:実際、僕たちは実績もない本当に小さな団体ですから、周りの皆さんからの応援なしに事業を大きくしていくことは不可能です。

 NPO法人なら、儲かっても株式上場や事業売却によって創業者が儲かることはないわけです。その意味では、自分たちの利益のことを考えていないと公言しているので、事業内容を理解してもらう上での武器になる、と考えました。

古市:儲かっても自分たちの利益にはならないと公言したい、というのは、とても社会起業的ですね。

小沼:「僕たちは本気で社会を変えたいのであって、個人的なベネフィットのことは考えていない」というストレートな気持ちを伝えることで、いろいろな人たちから応援してもらいたかったんです。実際、NPO法人だからという理由でアドバイスや協力をしてもらったことも、これまでにたくさんあります。

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「渇望されるのは「時代に足りていない」もの」の著者

古市 憲寿

古市 憲寿(ふるいち・のりとし)

慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員

1985年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員(上席)。大学院で若者とコミュニティについての研究の傍らIT戦略立案等に関わる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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