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ビッグデータ分析で、中国政府による検閲の中身が明らかに

ゲイリー・キング米ハーバード大学教授に聞く

2014年2月3日(月)

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本当ですか。どうやってやるのですか。

キング:コンピュータで超高速でダウンロードするのです。

 検閲をビッグデータで調べたケースは初めてです。私も最初は全然そんなことをする気はなかったんです。もともとは、文章から情報を抜き出す分析手法の開発に力を注いでいました。

中国政府より早く投稿内容を入手

 そのうち我々の考え出した技術を商業化した「クリムゾン・ヘキサゴン」という会社ができた。それで同社に「我々が開発した分析手法を試したいので、私に中国語による投稿のデータを送ってほしい」と依頼したんです。いわゆるストレステストです。

 分析手法は英語で開発したので、もし使い物になるのなら、英語とまるで違う言語でも使えるはずだと思ったのです。そして我々はクリムゾン・ヘキサゴンからソーシャルメディアの投稿やURLを含む中国語の投稿のデータを入手しました。それを分析し、試行錯誤してみたところ、大変うまくいきました。

 そして大学院の学生たちにこう指示しました。「この投稿が載っていたウェブサイトを見に行って確認してくれ」。私に中国語は分かりませんが、彼らは分かります。分析したテキストに広告が含まれていないことや、そして特定の投稿だけを抜き出していないかどうかなどを確認しました。

 院生が確認して、最初はクリムゾン・ヘキサゴンのデータに何やら不具合があったのだろうかと思いました。というのも、投稿が見つかっても、投稿に書いてあったURLをクリックしてもどこにも飛ばないというケースが多々あったからです。そこで、その投稿を中国政府が検閲したのだと気づいた。

 ということはクリムゾン・ヘキサゴンは最初に、検閲前の生情報を手にできたのです。急きょ、研究テーマを検閲の分析に変えました。

人海戦術で検閲している中国政府

 中国政府は人の手で検閲しています。恐らく、20万人ぐらいの担当者がいて、一つひとつ投稿を読んで取り下げるかどうか決めていると思います。大人数とはいえ人手ですから、しばらく時間がかかる。そこで我々は彼らの目に触れる前に自動ダウンロードしてしまう。

 分かったことは、中国政府が監視しているのは、とにかく「団体行動」であるということです。人を扇動したり、抗議行動に駆り立てたり、政府以外の人間が他人をコントロールしようとする発言は即刻検閲されます。「うちの市長はカネに汚いし、たくさん愛人を囲っている。最低だ」と批判を書き込んだところで、全く問題ありません。しかし、そのあとで「ひどすぎる。抗議に行こう」と発言したら、検閲される。

興味深いですね。

キング:もっと言うと、例えば、「うちの町のトップはすばらしい。コミュニティを活性化しているし、我々の市民生活に貢献してくれている。感謝の気持ちを込めてみんなでパーティーを開こう」と発言しても、やはり検閲されます。政府は、自分以外の何ものかが人を動員するのが許せないわけです。それが、今回の研究で分かったことです。

たとえ政府に感謝したい会合でも、チェックされてしまうんですか。しかし、教授は中国政府から何もされませんでしたか。中国政府からコンタクトなどありましたか。

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「ビッグデータ分析で、中国政府による検閲の中身が明らかに」の著者

広野 彩子

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日本経済新聞社NAR編集部次長

朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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