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「英会話至上主義」が、人材ミスマッチを生んでいる?

日本人ビジネスマンに必要な「読む力」

2014年2月28日(金)

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 日本人ビジネスマンに必要な英語力は会話力よりも読解力。仕事の現場で「もっと英語が読めれば」と痛感する人は多いかもしれない。企業人向けに独自の英文リーディング研修を手がける竹末研一氏に、「英語を読む力」の重要性とその背景を聞いた。

(聞き手は秋山 知子)

竹末さんは、経営者や企業幹部の方を対象に、英字紙の記事など大量の英文の読解力を上げることに特化したリーディングの研修を提供されています。

 英語ができることを形容して「英語ペラペラ」と言うように、多くの日本人は「英語力=英語が流暢に話せる、英会話力」と考えていると思います。なぜ今、リーディングなんですか。

竹末 研一(たけすえ・けんいち)
株式会社TORAEL代表取締役。1968年、福岡県生まれ。幼少期よりエジプト、シンガポール、タイなどの多言語環境で過ごす。大阪大学大学院卒。日本航空の技術部門に勤務後、2010年に退社。2011年、企業人を対象としたビジネス英語研修を提供するTORAELを設立。フェイスブック(写真:都築 雅人)

竹末:理由は大きく2つあります。

 まず、日本企業で仕事をする場合、英語を話す機会よりも英文情報を読む機会の方が圧倒的に多いことです。実際に業務をする中でそれを痛感する人が増えてきています。

 例えば東南アジアに進出した大手食品会社のケースでは、現地の消費者事情はマーケットリポートや新聞、雑誌、書籍から多くを情報収集する。外部からの問い合わせは電子メールで入ってくる。大量の英文を迅速に処理する必要があるのです。

 あるいは国内大手証券会社の営業部門の例では、海外の個別株のリポートなどはすべて英文で、それを読んで国内の顧客にアドバイスをしなければならない。社内で日本語訳されたものが届くのは数週間後で、それを待っていては株取引には遅すぎます。

 日本は内需が大きいので、以前は国内だけで仕事が完結し、エース級の人材でも英語ができなくても何とかなっていました。しかし企業を取り巻く環境は急速に変わっています。

 例えば海外企業に突然買収されることもあり得ます。ある技術系ベンチャー企業は欧州の企業に買収されたのですが、その際にわずか1カ月でデューディリジェンスを終えるために延々と電子メールのやり取りが続き、現場の部長は「英語が読めないと返事ができない」と痛感したそうです。

「英語を使う仕事」というと営業や会議、契約交渉などの場で「ペラペラ」話している局面をまず思い浮かべますが、確かにほとんどの日本企業の場合、そういう状況はそれほどなさそうです。もちろん英語が社内公用語になっているとか、上司や同僚が外国人とかなら別ですが、国内では稀なケースでしょう。

竹末:2つ目の理由ですが、日本語の情報と英語で発信されている情報の間には、かなり大きな情報格差があることです。

 ある医師の方ですが、新薬の情報にキャッチアップしていくには大量の英語の論文を読まなくてはいけない。新薬の開発や臨床試験はほとんどが海外で行われていて状況の変化が非常に早いので、リアルタイムで読み取れないとダメだと。逆に、それを読み取っていければ他よりも一歩リードできるそうです。

 日本自身のことですら、日本語では報道されていないのに海外では英語で報道されていることがよくあります。原発事故の時にお気づきになった方が多いと思いますが。

海外のメディアの方が詳しく報じていたりすることはありますし、観点も違いますね。海外企業に関する情報や先端技術の動向なども、一次情報を探そうとするとやはり日本語になっていないものがほとんどです。英語を読むのが苦でなければ非常に有利になるわけですね。

 ただ、英語が読めるというのは確かに重要だと思いますが、英語を聞く、話す、書く能力というのはまた別のトレーニングが必要でしょう。

竹末:そうとは限りません。リーディングの能力はすべての基礎になります。実は、読めるスピードが上がると、ヒアリングの能力が同時に上がるんです。

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「「英会話至上主義」が、人材ミスマッチを生んでいる?」の著者

秋山 知子

秋山 知子(あきやま・ともこ)

日経ビジネス副編集長

1986年日経BP社入社。日経コンピュータ、日経情報ストラテジー、日経アドバンテージ、リアルシンプル・ジャパンの編集を担当。2006年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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