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「採用学…それってどんな研究なんですか?」

服部泰宏・横浜国立大学准教授に聞く

2014年3月3日(月)

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 日本の経営学者の多くが参加している「組織学会」。同学会が優れた研究に対して授ける学会賞(高宮賞)を2010年に受賞。若手経営学者のホープの1人として注目されているのが、横浜国立大学大学院国際社会科学研究院の服部泰宏准教授だ。

 1カ月ほど前に同准教授が実施した「経営学の普及に関する実証研究」についてインタビューし、その内容を紹介した(記事はこちら)。今回は服部准教授が確立しようとしている「採用学」とはどのようなものか。その目指すところを紹介する。

(聞き手は中野目 純一)

服部 泰宏(はっとり・やすひろ)氏
1980年生まれ。2009年神戸大学大学院経営学研究科マネジメント・システム専攻博士課程を修了し、博士号(経営学)を取得。滋賀大学経済学部専任講師、同准教授を経て、2013年4月から現職。横浜国立大学経営学部准教授も兼務している。『日本企業の心理的契約 増補改訂版: 組織と従業員の見えざる契約』(白桃書房)などの著書がある(写真:陶山 勉、以下同)

採用学という新たな学問分野を確立されようとしていますが、そもそもなぜ企業の採用活動に関心を持たれたのですか。

服部:もともと個人が組織にどう関わっていくかということにずっと興味を持っていて、「心理的契約」を研究してきました。心理的契約とは、契約書などに明文化されていないけれども、企業に勤める個人と企業とが暗黙のうちに相互に期待し合っているものを指します。

 会社と個人の間で、どういうお互いの約束というか、相互期待があるかという話なのですが、これまでは必ずしも会社の入り口、すなわちエントリーのところに的を絞っていなくて、会社員たちはどういう問題意識を持っているのか、どのようなところで会社と働く人それぞれの期待がずれてしまっているのかといったことをずっと追いかけてきました。

 採用について意識したのは昨年4月に滋賀大学から横浜国立大学に移籍して、実務家の皆さんとお話しする機会が飛躍的に増えだした頃からですね。その時に考えたのは、実は会社に入った時点からボタンの掛け違いが起きている。既に「ミスマッチ」という言葉が広がって久しいですが、それが一番の問題ではないかと改めて思い至ったのです。

 あと意外にもそのエントリーのところを研究している人が少ないことにも気づいた。もちろん全くいないわけではないんです。例えば会社にどうやってなじんでいくかという「組織社会化」の研究などは、経営学の中で主流の1つになっています。しかし採用や選抜ということについては、意外と日本では体系的に研究されていません。

 その割に私が企業の現場でいろいろと話を聞くと、採用についてすごく問題意識を持っている。企業の現場における需要と経営学が提供する知見の供給とに大きなギャップがあるわけです。採用について研究すれば、企業や社会に貢献する実践的な学問になると考えました。

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「「採用学…それってどんな研究なんですか?」」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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