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信じられないくらいつまらない映画をどう褒めるか

小山薫堂氏 第2回

2014年3月14日(金)

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小山:前回は澤本さんが脚本を担当された映画「ジャッジ!」の話が出ましたが、僕は今、WOWOWで映画を紹介する仕事をしているんです。

 毎週日曜の夜9時にやっている「W座からの招待状」というタイトルなんですが、WOWOWの映画買い付け担当者が、「これは見せたい」と選んだものを見て、その後にインスパイアされた詩を書くんですよ。

澤本:面白そう。というか、大変そうですね。

小山薫堂(こやま・くんどう)
放送作家、脚本家/「N35」代表,「オレンジ・アンド・パートナーズ」代表取締役。
1964年、熊本県生まれ。日本大学芸術学部卒業。85年にテレビ番組「11PM」の構成作家としてデビュー。以後、「カノッサの屈辱」「料理の鉄人」「とんねるずのハンマープライス」など数々のヒット番組の構成を担当。2008年に脚本を手がけた映画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)が米アカデミー賞外国語映画賞、日本アカデミー賞を受賞。熊本県の「くまモン」の“生みの父”として、ゆるキャラブームを牽引。東北芸術工科大学教授、下鴨茶寮主人を務めるほかに、ラジオパーソナリティや、日光金谷ホテルの顧問、地域や企業のアドバイザーなど、多彩な分野で活動中。(撮影:大槻純一、以下同)

小山:僕のほかに、イラストレーターの安西水丸さん、音楽家の阿部海太郎さんとご一緒していて、映画を見た後に、安西さんはイラストを、阿部さんは曲を書く、という担当になっています。安西さんのイラストが映っている画面に、阿部さんの音楽がBGMで流れて、そこに濱田岳君という俳優さんが読む僕の詩が入る、という1分半のショートポエム物で。

澤本:大変じゃないですか。

小山:これ、実は一度に4本撮りするんですよ。そこが確かに地獄のような感じで(笑)。

澤本:4本撮りだと、どのくらい時間はかかるんですか。

小山:1本5分ぐらいなので、収録自体は長くないんですが、とはいえ、事前に映画を4本、見ておかねばならない。それで、詩を書いていかなきゃならない。

澤本:うわ。

小山:例えば明日の昼からそれの収録があるんだけど、夜の時点でまだ1本しか見てないよオレは、とかいう日があるわけですよ。

澤本:それは……。

小山:そこから映画を3本見て、詩を書かなきゃいけない。もう泣きそうになりながら、取り組むわけです。で、中にはクソつまらない映画があるわけですよ。

その発言、記していいでしょうか。

面白いかどうかではない。面白く見られるかどうかだ

小山:僕が言いたいのはその先なので、いいですよ。

 最初のうちは、クソつまらない作品、地味な作品を見ることが、本当にもう嫌で嫌でしょうがなかったんです。でも、回数を重ねていくうちに、「面白いか、面白くないか」じゃなくて、「いかに面白く見なきゃいけないか」という風に、僕自身が変わってくるようになって(笑)。

澤本:見る側の境地というものが出てきた……見るプロですね。

小山:そう考えると、淀川長治さんって最強の見るプロでいらっしゃったな、と。どんな映画でも拾ってくる、拾ってくる。

澤本:拾うプロで、褒めるプロですよね。

小山:僕なんか最初は、「この映画は伏線の張り方が下手だよな、まったくもう」とか思っていたのですが、そういう自分がだんだん、すごく恥ずかしくなってきて。

 今の映画って、ここにぱっと張って、ここで落として、みたいなハリウッドスタイルが主流で、自分もそれに慣れ切っていたけれど、そういう映画って実は面白くないんだな、という気がしてきたんですよ。

澤本:すごい境地ですね。

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「澤本嘉光の「偉人×異人」対談」のバックナンバー

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「信じられないくらいつまらない映画をどう褒めるか」の著者

澤本 嘉光

澤本 嘉光(さわもと・よしみつ)

CMプランナー

1966年、長崎県生まれ。東京大学文学部卒業後、電通に入社。カンヌ国際広告祭賞など内外の受賞多数。2007年に始まったソフトバンクモバイル「白戸家シリーズ」は5年目に突入し、いまや国民的CMに成長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官