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TPPは今年前半に妥結できる、でなければドーハ化

韓国に続いて中国も参加?

2014年3月12日(水)

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 TPP交渉がまとまらず、「漂流」の危機も現実味を帯びてきた。決着の可能性はあるのか。失敗に終われば、コメに固執する「日本悪玉論」に発展しかねない。今後の行方を通商と安全保障の専門家、浅野貴昭・東京財団研究員兼政策プロデューサーに聞いた。

(聞き手は金田 信一郎)

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の行方が怪しくなっています。

浅野 貴昭(あさの・たかあき)氏
東京財団研究員兼政策プロデューサー。東京大学文学部卒業。航空会社勤務の後、ニューヨーク大学にて政治学修士号取得。日本政策投資銀行ワシントン事務所、経済同友会を経て2011年6月より現職。

浅野:2月25日のTPP閣僚会合に先立って、TPP交渉を担当している甘利(明・衆議院議員)経済再生担当大臣が「(TPP交渉は)漂流する危険性がある」と言ったのですが、2月の交渉妥結は実現せず、これからどうなるかという局面ですね。

日本と米国の関税交渉がネックになっています。

浅野:よく「TPPは実質、日米FTA(自由貿易協定)だ」と言われます。私もそうだと思います。ですから今回、日米2国間の関税交渉の部分がちょっとプレーアップされて、国内で報道されています。その交渉がうまくいかなかったと。

 しかし、TPPの本質は、関税の削減・撤廃交渉ではありません。ただ、お互いが署名して批准するには、それぞれの国が政治的な合意を国内で取り付けないといけない。日米の間に限って言うと、日本の農産品の関税がポイントの1つとして出てきたということです。日本ではどうしても関心がそこに集中して、「聖域5品目を果たして死守できるのか」ということが言われますが、聖域5品目を守ることだけがTPP交渉の目的ではないと思います。

妥結するメドはいつ頃でしょうか。

浅野:今後どうなるかは、やはりアメリカの政治スケジュールにも左右されます。交渉を主導するアメリカでは、今年は中間選挙があります。やはり、選挙の年に連邦議会に通商について大きな決断を迫るのは、決して賢いことではない。

 「2013年中の交渉妥結」が参加各国の目標でした。オバマ政権としては、交渉をまとめ、それを成果として手に入れて、中間選挙を戦いたいんだという解説がよくされていました。しかし、オバマ政権は民主党政権です。たとえば、民主党の伝統的な支持基盤である労働組合は自由貿易には懐疑的な立場をとっているので、自由貿易協定をまとめることが、民主党にとって大きな政治的得点になるとは一概にはいえない。

逆に、裏目に出る危険もあるわけですね。

浅野:環境問題や労働問題は、民主党が重視してきた問題です。ここで日和ったような立場をとると、民主党の支持基盤から批判を受けて、政治的に困った状況に追い込まれることも考えられます。「TPPをまとめることは、オバマの選挙戦略だ」というような単純な話ではないと思うんです。

 アメリカの政治スケジュールがTPP交渉を左右すると言ったのは、貿易促進権限(TPA、通称ファストトラック権限)が2007年来、失効したままになっていることが理由です。TPAは、連邦議会が大統領に対して通商交渉権限を与えるものですが、その法案がようやく今年1月に議会に提出され、この行方がアメリカの通商交渉にも大きく影響を与えると思います。

ファストトラック法案によって、どのように大統領権限が強化されるのでしょうか。

浅野:TPP協定に署名した後は、その実施法案を、最終的には議会に可決してもらうことになります。法案を議会に委ねた時に、議会はイエスかノーか、速やかに審議を進める必要があります。

 逆にファストトラック権限がない状態だと、議会は審議を引き延ばしたり、貿易協定の再交渉を大統領府に強いるような事態すら考えられます。

各国と合意した内容が、そのまま議会を通らない事態が起きかねないと。

浅野:そうすると、TPPの参加12カ国が合意して署名したものを、アメリカは国内事情で実施できないということになります。それは、対外交渉上の信用問題にもなります。それを避けるために、事前にその権限を取り付けておく必要があると。

法案を1月に出して、実際に可決・発効するのはいつ頃になりそうですか。

浅野:これが、おそらく成立しないと私は思って…。

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「TPPは今年前半に妥結できる、でなければドーハ化」の著者

金田 信一郎

金田 信一郎(かねだ・しんいちろう)

日本経済新聞編集委員

1990年横浜国立大学経済学部卒業。同年、日経BP社入社、日経ビジネス記者、ニューヨーク特派員、日経ビジネス副編集長などを経て2014年より現職。産業、金融、経済事件を中心に取材・執筆。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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