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なぜいつも「鍵を掛け忘れた」と思うのか~不幸を招く極度心配性~

株式会社「脳の学校」の加藤俊徳社長 医師・医学博士に聞く

2014年3月27日(木)

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 朝、出勤するため家を出た後で、「鍵を掛け忘れたかもしれない」との不安に頻繁に襲われる――。そんな会社員は少なくないのではないだろうか。忙しい朝の時間帯だけに確認のため家に戻るのは煩わしい。だが万一、本当に戸締りできていなければ、空き巣に入られる危険性もある。一部の人特有の「単なる心配性」と思うなかれ。2013年10月、日経ビジネスが実施した消費者1000人調査では、「今後、企業に開発して欲しい商品は」という問に対し、25.1%、約4人に1人が「外出先から戸締りを確認できるシステム」と回答した。程度の差こそあれ、少なからぬ人が同じ現象に悩まされている様子が伺える。

 職場のストレスなどで生来の心配性が悪化したのか、それとも加齢で脳の一時記憶が減退してしまったのか。とりわけ中高年であれば大抵身に覚えがあるはずの「鍵を掛け忘れたかもしれない症候群」の原因と対策を、脳の専門家に聞いた。

(聞き手は鈴木信行)

そういうわけで先生、あの現象は一体何なんなのでしょう。1度や2度ならまだしも、頻繁にそう思うのは、やはり精神や脳に何らかの異常が出てきた兆候なんでしょうか。

加藤 俊徳(かとう・としのり)
1961年、新潟県生まれ。株式会社脳の学校代表、加藤プラチナクリニック院長(港区白金台)。昭和大学医学部大学院卒業。日米で医師としての研究・臨床活動の傍ら、独自のMRI脳画像鑑定技術を構築、胎児から超高齢者までヒトの脳を1万人以上分析。現在、個人の脳機能特性をMRI鑑定、企業組織への脳適性アドバイスも。著書に「アタマがみるみるシャープになる脳の強化書」(あさ出版)等、業績・論文多数。

加藤:いえいえ、全くの正常です。健康な脳の人であれば、誰でも自然にそうなります。極めて単純化して説明しますと、人間は便利なもので、同じ作業を習慣的にこなしていると、脳の中に「自動化システム」が形作られる仕組みになっています。そして、ひとたびシステムが出来上がると、無意識にその行動が出来るようになる。出社前に鍵を掛けるのも、エアコンを消すのも、ガスの元栓を閉めるのも、すべて習慣化された行動ですよね。だから、しばらく同じ所に住んでいれば、出勤前の多くの行動は自動化される。ただ、それらはいずれも、脳が“自動的”にやったことですから、家を出た10分、20分後に、ふと気になって思い出そうとしても、なかなか思い出せないんです。

己の大脳をもっと信じよ

なるほど。

加藤:自動化システムが完成するまでは、しばらくしてからでも思い出せるんです。例えば、引っ越した直後で新しい住まいに慣れてない頃は、誰でも「ガスの元栓はどこだったかな」「照明のスイッチはここだったな」とか意識しながら、出勤の準備をしますよね。こういう時期は、会社に着いてからでも、「ああ、確かに戸締りしたな」と記憶を呼び出せる。その仕組みをやや専門的に言うと、習慣化作業の学習過程においては、新しい環境で作業をする際に小脳と海馬、大脳が連動しながら活発に動いていて、その結果として行動がより鮮明に記憶に刻まれる。ところが環境に慣れ自動化が進むと、大脳だけで作業ができるようになるんです。習慣的作業はどんどん大脳主体になり、海馬や小脳がさぼっても、不自由がなくなります。

そうやって小脳や海馬が“やる気”をなくし、大脳に任せっぱなしになった状態でやったことは、人はいちいち覚えてない、という理解でよろしいですか?

加藤:簡単に言うとそうです。

だとすれば、朝、出勤するため家を出た後で、ふと「鍵を掛け忘れたかもしれない」との不安に襲われても大抵は大丈夫ということですか。自分は覚えていなくても大脳がしっかりやってくれている、もっと己の大脳を信じよ、と。

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「なぜいつも「鍵を掛け忘れた」と思うのか~不幸を招く極度心配性~」の著者

鈴木 信行

鈴木 信行(すずき・のぶゆき)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日本経済新聞産業部、日経エンタテインメント、日経ベンチャーを経て2011年1月から日経ビジネス副編集長。中小企業経営、製造業全般、事業承継、相続税制度、資産運用などが守備範囲。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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