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起業は「居場所作り」でいいと思う

家入一真 Liverty代表(後)

2014年4月2日(水)

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古市:今日は、会場にも起業したい方が結構いらっしゃるようです。家入さんは電話番号を公開していますよね。

家入一真(いえいり・かずま)
連続起業家。活動家。1978年福岡県出身。株式会社ハイパーインターネッツ、BASE株式会社など複数の企業の取締役を務める。中学2年から高校3年まで引きこもりを経験。その後、深夜バイト、新聞奨学生等を経て、2001年、レンタルサーバー「ロリポップ!」をリリース。2003年、株式会社paperboy&co.創業。2008年、当時史上最年少の29歳でJASDAQに上場。「ブクログ」「CAMPFIRE」「BASE」といった各種ITサービスを立ち上げる。ものづくり集団「Liverty」代表でもあり、現在は駆け込み寺「リバ邸」をはじめ、リアルやネットを問わず「人が集まる場」を作っている。ウェブサイトはこちら。(写真:大槻純一、以下同)

家入:はい、Twitterに明記しています。

古市:起業相談、きますか。

家入:そうですね。起業相談とは限らないですが、1日20件近く、知らない人から電話がきているんじゃないでしょうか。

古市:そんなに! いちいち応えるんですか。

家入:気分がいい時は出るし、タイミングが悪ければ出ない。

古市:なぜ電話番号を公開しているんですか。

家入:先ほどのブログ採用もそうですが、僕は出会いのチャンネルをどれだけ多く持つか、という点を重視しています。

 たとえばこの本にも出ていますが、僕と一緒に起業した「BASE」の鶴岡裕太くんは、出会った時は本当に普通の大学生でした。だけど、「こういうサービスをやりたい」と一緒に始めたらメキメキと変わって、今では店舗数だけでいえば楽天さんを超えて伸びている企業になっています。

 これほどさように、僕の周りに少しずつ成功している若い子たちが出てきていて、「家入さんの周りには筋の良い若者がいっぱいいていいですね」なんて言われるんですが、それは単純により多く出会っているからです。

 とにかく出会って、出会って、出会う。多くの若者が僕のそばを通り過ぎていくけれど、その中で芽が出る子たちがいるということ。「うちもいい大学生を採用したい」と言いながら、全然出会っていない大人が多いんじゃないですか。僕が電話番号を公開するのは、自分からブログを見に行って採用するのと同じように、出会いのチャンネルをできる限り持つ一環です。

古市:たくさん出会う若者の中で「この子はいけるな」というのはどこで見分けていますか。

コンプレックスこそが鍵となる

家入:心の中のドロドロした部分、コンプレックス、悩み、妬み、辛い過去。そうしたことを聞くと、「こいつだからできる何か」「こいつだからこそやる意味があること」がわかる。

 これが儲かりそうだから投資してください、といったタイプは、もっと器用にやれるやつがいたり、大手が参入したら負けるでしょう。だけど、そいつにしかできない物語があれば、そいつは粘る。事業は粘り勝ちという部分もありますから、そこらへんを見ます。

古市:コンプレックスや怒りをモチベーションにしている起業家が周囲に多いですか。家入さんは画家になりたかったといいますが、アートもコンプレックスや怒りをモチベーションにしているものがあると思いますが。

家入:みんながそうではないけれど、鶴岡くんの場合は、「自分のお母さんの悩みを解決してあげたい」という思いでBASEを作った。スマホで写真を撮るだけでショップを立ち上げることができれば、他社の出店サービスより簡単でしょう。楽天ショップへの出店を鶴岡くんが助けるという手もあったと思いますよ。だけど彼は、お母さんにまつわる物語をフックにBASEを立ち上げた。

 僕は起業って「表現」に似ていると思う。表現者はコンプレックスをベースに作品にぶつけて昇華させる例も多い。「粘り勝ちできる子は思いと物語を持っている」というイメージがあります。

コメント2件コメント/レビュー

お二人の会話を読んでいて、束縛されているのは自分だなと思いました。私は若い子の親の世代。子どもの将来のことを思うと心配なことばかり・・・などと思ってしまうのも、過去に振り回されているからかもしれません。これまでの枠組みを変えてくれる希望を感じました。教わるのはこちらでした。(2014/04/02)

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「起業は「居場所作り」でいいと思う」の著者

古市 憲寿

古市 憲寿(ふるいち・のりとし)

慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員

1985年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員(上席)。大学院で若者とコミュニティについての研究の傍らIT戦略立案等に関わる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

お二人の会話を読んでいて、束縛されているのは自分だなと思いました。私は若い子の親の世代。子どもの将来のことを思うと心配なことばかり・・・などと思ってしまうのも、過去に振り回されているからかもしれません。これまでの枠組みを変えてくれる希望を感じました。教わるのはこちらでした。(2014/04/02)

自分の居場所作りという言葉、とてもよく分かります。深く共感しました。それが起業であってもいいし、会社の中であってもいい。高度成長期はそんなこと考えなくても自然に自分の居場所が得られたのに、今はそうではない。自分も40代後半のサラリーマンですが、将来的に自分の居場所が無くなるんじゃないかという漠然とした不安はなんとなく感じます。自分の居場所作りという視点で、教育や経済、世の中のシステム全てが、もっと変わっていかなければ、ほんとに自分の居場所がなくなってしまうかもしれませんね。(2014/04/02)

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三品 和広 神戸大学教授