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日本人は少子高齢化という衰退を楽しんでいるのか

歴史人口学者エマニュエル・トッド氏インタビュー(下)

  • 黒沢 正俊

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2014年4月21日(月)

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 フランスを代表する知識人、エマニュエル・トッド氏は、前回のインタビューで、「ユーロを生みだしたフランス経済は、ユーロによって破壊された」と述べた。経済だけでなく、政治的にもドイツに頭が上がらない。

 だが、唯一、うまくいっている分野がある。出生率だ。フランスでは政府の教育費無料化などの施策によって所得階層のすべてで出生率が上昇している。フランスと対照的なのが日本。歴史人口学者として、きつい警告を日本政府に発する。

(聞き手は黒沢正俊=出版局編集委員)

エマニュエル・トッド氏
フランス国立人口統計学研究所(INED)の研究員。歴史人口学者、家族人類学者。1951年生まれ。祖父は作家のポール・ニザン。1976年に出版した処女作『最後の転落』でソ連崩壊を予言して衝撃を与える。2002年の『帝国以後』で米国の衰退を予言、世界25カ国に翻訳されるベストセラーとなった。他の著書に『世界の多様性』、『新ヨーロッパ大全』、『経済幻想』、『デモクラシー以後』(以上、邦訳は藤原書店)など(写真:大槻純一、以下同)

学問としての歴史人口学の可能性について、どう考えているか?

トッド:私の方法論を説明するのは難しい。私には読者はいるが、研究者で私の後継者はいないと、友人から言われた。私は孤独な研究者であり、それは真実だ。恐らくいつか、私の方法論が正しく、正確な予測であったと、人々が気づいてくれるはずだ。

 歴史人口学の分野では、メソポタミアのような古代や東ヨーロッパに関する研究が進んでいる。日本では速水融・慶應義塾大学名誉教授が日本の歴史人口学の父だ。彼はフランスや英国の手法を日本に持ち込んだ人で素晴らしい人だ。

 ポーランド人研究者が東ヨーロッパの制度について偉大な研究を成し遂げている。しかし、これは純粋な歴史人口学で、私のような現代に関連する研究ではない。

GDP統計は誤魔化せても、人口統計は誤魔化せない

なぜ歴史学ではなく、歴史人口学なのか?

トッド:『最後の転落』でソ連の乳児死亡率、出生率を分析した。ソ連はもう崩壊するところだった。この本を書いたとき私は25歳で、博士論文を完成したばかりだった。私は歴史人口統計学の学生だった。

 この学問は、18世紀のフランス革命などを分析するために開発された。フランス革命を出生率など人口統計の観点から分析する試みからだ。私は、ロシアのような閉ざされた社会で、18世紀の政治分析に使用されていたそうした方法論を応用した。そうした方法論を使って、米国文明の転換、アラブの春など、いくつかの出来事を予見することができた。

コメント25件コメント/レビュー

少子高齢化による人口減少社会を、そうならないようにしなければならない。ある程度、循環(生まれて~亡くなる迄)しても様々な事が維持出来るような社会や社会構造(産業など、あらゆるものも含む)になっていることが必要だと思う。移民を取り入れれば解決する問題でも無く、たとえ、移民を取り入れたとしても、少子高齢化による人口減少社会の問題を解決し、そこを変えない限り、同じことが起こるだけで、何も変わらない。むしろ、移民を取り入れた場合に仕事の取り合いが現実として起こるでしょう。同時に、新たな格差のも生じるでしょう。先ずは、日本人によって、少子高齢化による人口減少社会の問題を解決することが先でしょう。(2014/05/04)

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少子高齢化による人口減少社会を、そうならないようにしなければならない。ある程度、循環(生まれて~亡くなる迄)しても様々な事が維持出来るような社会や社会構造(産業など、あらゆるものも含む)になっていることが必要だと思う。移民を取り入れれば解決する問題でも無く、たとえ、移民を取り入れたとしても、少子高齢化による人口減少社会の問題を解決し、そこを変えない限り、同じことが起こるだけで、何も変わらない。むしろ、移民を取り入れた場合に仕事の取り合いが現実として起こるでしょう。同時に、新たな格差のも生じるでしょう。先ずは、日本人によって、少子高齢化による人口減少社会の問題を解決することが先でしょう。(2014/05/04)

男性で育児休業所得経験者です。法律で制度を設計しても、そもそも会社の経済活動として、男性が子供が生まれたから数か月休む、なんてことが考慮されておらず、いくら法律であるとは言っても本当にそんなものを取得する気か?と言われて数か月育児休業を取得しました。そうすると職場復帰したとき、職場で浮き、仕事も懲罰的なほぼ達成不可能なノルマを押し付けられ、結果復帰数か月後に転職することになりました。制度を作っても、こういった嫌がらせは避けることはほぼ不可能だと思います。子供を産みたくても産めない、結婚しない・できない、という弱者のフリして人と違うことをしている人間をたたいて愉しむ人間が多いなと思いました。ちなみに転職後は普通に働いていますが、もうすぐ家族で海外に移住します。日本は教育インフラは整っていますが、心理的に子供を育てにくいです。(2014/04/26)

小さな島国の日本が今でなんとか世界で渡り合ってこられたのは、大きな人口があってこそです。現実世界では「人口=国力」。詳しく言えば「労働生産人口が国の力」ですが… 若者に将来に希望を持ち、文化的で健康的な生活を営むためにもある次世代育成は必須であり、少子化で困るのは老人だけではありません。働き盛りのあらゆる業界、未来ある子供達、全ての問題です。(2014/04/25)

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