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所有って、あまり意味が無いと思います

槌屋詩野 HUB Tokyo代表(その3)

2014年4月18日(金)

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古市:日本は「業法」がすごく多い国という印象があります。既得権益といってもいいかもしれないけれど、そうした中で社会を変えるのはとても難しいチャレンジだと思います。そのあたり、槌屋さんはどのように捉えていますか。

槌屋:そうですね。私たちは「ハック」という言葉をよく使いますが、業法からどれだけハックできるかにかかっていると思います。

 多くの場合、法律や仕組みには必ず抜け穴がある。たとえば、会計などはスループットが多いですが、それでもクラウド会計が登場していますから、それを使うべき人たちが、その必要性にまだ気づいていなかったりする。そこに踏み込めば、状況を変えられるはず。

槌屋詩野(つちや・しの)
1979年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修了。国際協力NGO、日本総合研究所創発戦略センターでイノベーションリサーチを経験した後、2012年に起業。世界中のチェンジメーカーとなる起業家が接続するコラボレーションネットワーク「Impact HUB」に東京から参画し、HUBの経営、日本でのブランディングに携わっている。共著に『BOPビジネス入門―パートナーシップで世界の貧困に挑む』などがある。(写真:大槻純一、以下同)

 だけど、社会の仕組みや法律を変えるには、そういった金融的な仕組みを変えるだけでは足りなくて、人間の意識も変えないといけない。だから、「周りの人間の意識を変えるような行動を起こしている人がどれくらいいるのか」、という点が重要です。

 私たちは共感、エンパシーという言葉を使います。変化を起こしてクリティカルマスの人たちに伝播させるには、エンパシーが必要です。今、エンパシーを得られる発言を広めるには、ソーシャルメディアというツールを使いこなせなくてはいけません。でも、使いこなせている企業はとても少ない。ソーシャルメディアを使いこなすだけでも、実は全然違うものができるはずなのですが。

古市:HUB Tokyoのメンバーになるとどんないいことがありますか。

槌屋:人によって「いいこと」は違うと思いますが、ひとりひとりとホストがじっくり話して、「あの人とつながったらいいのでは」と紹介する。メンバー以外で私たちとつながっている人にも紹介します。人と出会える場を提供し、そこから一気にビジネスネットを広げてもらいます。

 ここでは同じミッションを持った人が隣に座っている可能性が高い。目指す方向が同じなら、具体的に考えていたことが違っても、コラボレーションは早く進みますし、世界観の共有も拡大させられます。

古市:仕事の情報を得ると、出し惜しみする人がいますけれど、そういうケースはないんですか。

槌屋:ないです。

お金、名声、それ以外の動機とは

古市:皆さん、お金や名声が第一義じゃないとすれば、何がモチベーションになっているんでしょうか。

槌屋:お金はちゃんと稼がないといけないと思っていますよ。社会を変えるための行動から自分の食べるものは確保して、余ったら誰かにあげればいい、というイメージの人は多い感じですね。

古市:槌屋さん自身もそうですか。

槌屋:私もそうです。最近は運営がだいぶ安定してきましたが、最初はここを慈善団体と勘違いしている人がいました。社会貢献を間違えて捉えているんですね。うちはNPOだから無料にしてくれ、とか色々言われましたね。

 私はこの場所の賃料、スタッフの給料などを絶対に確保しなくてはいけない。無料にはできません。無料の場所から生まれるものがうまくいくとは限らないですし、「人にあげる」という行為は必ずしも良いことにはならない場合がある。ですから、私はチャリティという単語は要注意と考えています。自分と自分の事業に必要なお金を最低限得られる状態に持って行ってから、次へ進むべきです。

古市:さっき、日本で起業が少ない理由は文化とおっしゃっていましたが、他に日本の起業率が低い原因で考えられることは?

槌屋:これもさっき言いましたが、教育。ビジネス=会社員、という前提で教育が行われているように思います。自分でアイディアを練って、誰かに売って、使ってもらうといった経験をする機会がほとんど持てない。

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「所有って、あまり意味が無いと思います」の著者

古市 憲寿

古市 憲寿(ふるいち・のりとし)

慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員

1985年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員(上席)。大学院で若者とコミュニティについての研究の傍らIT戦略立案等に関わる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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