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「TPP締結」は構造改革の第1歩

レーガン大統領時の通商交渉担当がアベノミクスを斬る

2014年4月16日(水)

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 ロナルド・レーガンが米大統領を務めた1980年代は、日米貿易摩擦によって米国内で“ジャパン・バッシング”の嵐が吹き荒れた。その当時、米国商務省で審議官を務め、日本の自動車メーカーと交渉に当たり、バッシングの矢面に立っていたのがクライド・プレストウィッツ氏だ。

 現在は米国経済戦略研究所の所長として、アジアの国々を中心に経済コンサルティングを手がけている。プレストウィッツ氏が初めて日本を訪れたのは、1965年のこと。慶応義塾大学で国際関係を学んだ。その後もヘッドハンターとして駐日するなど、日本の社会を熟知したジャパン・ウオッチャーとして、数々の著書を上梓してきた。

 新著を執筆中のプレストウィッツ氏は、「50年先を見据えて、日本にはチェンジが必要だ」と訴える。「レーガノミクス」の一翼を担った同氏は、日本の現政権が進めるアベノミクスをどう評価するのか。またプレストウィッツ氏の訴える「チェンジ」とは何か。日本が抱える課題と対策を聞いた。

クライド・プレストウィッツ氏。米経済戦略研究所所長米国のほかにも、色々な国の政府や企業に、グローバル戦略に関するアドバイスを行う。米ハワイ大学院、ウォートンビジネス大学院を修了。スイス系ヘッドハンティング企業の東京部長を経て、レーガン政権時代に米国商務省審議官に就任。日米貿易摩擦の交渉に当たったほか、最初の対中貿易交渉使節団のリーダーを務めた。クリントン政権時代には、アジアパシフィック地域貿易投資委員会の副会長に就任。合衆国輸出入銀行顧問委員会のメンバーを務める。著書は『日米逆転-成功と衰退の軌跡』『危険な依存-アメリカを脅かす日本!』『日本の実力』『東西逆転-アジア・30億人の資本主義者たち』など。

現在の日本政府が進めているアベノミクスに対して、どう評価していますか。

プレストウィッツ氏:アベノミクスは、部分的には機能していると言えるでしょう。

 「第1の矢」である金融政策によって、円安が進み、インフレ状態になりつつある。さらには「第2の矢」である財政出動についても、日本経済を刺激しているという点ではポジティブな効果はあるはずです。投資先が将来必ずしも利益を生み出すという確約はありませんが……。

 ただし問題は、「第3の矢」です。構造改革はそもそも長期的な対策なので、今はまだどうなるかわかりません。そういう意味では、安倍首相はテストされている段階と言えるでしょう。

 ただ、確実に言えるのはアベノミクスが成功するとすれば、構造改革が成功した時だということです。

「構造改革」の最大の難点はどこにありますか。

プレストウィッツ氏:最も大きな障壁は、既得権を持つインタレスト・グループ(利益集団)が改革を望んでいないところにあります。こうした利益集団は票も握っている。

 彼らを説得するには、安倍首相が明確なビジョンを持ち、彼らの支持を獲得できるリーダーになる必要がある。安倍首相がそんなリーダーになれるか否か。それが試されているのです。

 安倍首相は、日本の歴代の首相の中でも、国民から高い支持を得て、少なくとも他党が提案しないような政策を掲げている。しかし問題は、掲げているそれらの政策が実際に構造改革を断行するために十分なものかということです。

 十分な対策もなく、経済がこれ以上成長できないようであれば、日本には大きな負債だけが残る。そして、その負債返済能力がないと見られると、金利は跳ね上がり、日本の国債市場は崩壊するでしょう。日本発の新たな世界金融危機が起こる可能性もある。

そうならないための、「十分な対策」とは何でしょう。

 プレストウィッツ氏:例えば農業の場合、安倍首相がTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉に参加したのは良い動きです。TPPが締結されれば、農業製品の関税が下がって競争力が高まり、構造改革が進むはずです。これはポジティブなステップと言えます。

 しかし、そのTPPも構造改革の第1ステップでしかない。それだけでは不十分なのです。

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「「TPP締結」は構造改革の第1歩」の著者

飯塚 真紀子

飯塚 真紀子(いいづか・まきこ)

在米ジャーナリスト

雑誌編集を経て、LAを拠点に、政治経済、社会、トレンドなどをテーマに様々な雑誌に寄稿。著書に『9・11の標的をつくった男』(講談社)、『そしてぼくは銃口を向けた』『銃弾の向こう側』(草思社)他がある。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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