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マネジメントにはロジックとフェロモンが必要

電通CDC センター長 古川裕也氏 第3回

2014年5月27日(火)

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広告の世界では今、「グロースハッカー」の存在がクローズアップされています。グロースハッカーは、あるひとつの製品をベストマッチの消費者に届けるために、企画段階から参加して、製品が世に出た後も、ネットを使ってあらゆるフィードバックを得て、それをまた製品に反映していきます。従来の「マーケッター」という職能が、ものすごく横に広がっているわけですね。

 電通CDC(コミュニケーション・デザイン・センター)も、ひとりの突出した職能だけではなく、複数の才能による複数領域の組み合わせで、広告の作り方を変えています。古川さんは、そのような部署の責任者ですが、猛者ぞろいのチームのマネジメントは、どのようにされているのかを、今回はうかがっていきます。

古川:いわゆる普通のマネジメントは、周りの協力を得て何とかやっていますが、広い意味の「クリエーティブ・マネジメント」にとって重要なことはふたつあります。

古川 裕也(ふるかわ・ゆうや)
電通コミュニケーション・デザイン・センター長/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター
クリエイター・オブ・ザ・イヤー、カンヌ・ライオン28回、D&AD、One Show、アドフェスト・グランプリ、広告電通賞、ACC グランプリ、ギャラクシー賞グランプリ、メディア芸術祭など、国内外で400以上を受賞。カンヌ、D&AD、クリオなど、国内外の審査員・講演も多数。2013年カンヌ・チタニウム・アンド・インテグレーテッド部門で、14年には2度目となる同フィルム部門の審査員を務める。JR九州「祝!九州新幹線全線開業キャンペーン」、中央酪農会議「牛乳に相談だ!」、JCB「買い物は世界を救う」、リクルート「すべての人生がすばらしい」等を手がける。「宣伝会議」のウェブサイト「アドタイ」でコラム「脳の中の金魚」を連載中。(写真:村田 和聡、以下同)

 まず、CDCという局のゴール設定とそれを達成するアイデア。もうひとつは、「才能のマネジメント」です。

 後者は、各人の能力の種類に応じて、とにかくレベルが上がるように考えています。やったことのない種目をやってみるとか、現在自分のいる高さを正確に知るとか、例えばそんなことですね。

 前者のゴール設定に関していうと、それはCDCというより、電通のソリューション領域、さらには広告代理店という業態がどうなっていくべきかという議論と、ほとんど同義になります。世界の大きな流れの中で、CDCがとるべき方向を考えるということです。

 電通のようなエージェンシーが今後、やるべきことは「課題発見/課題解決」。両方をしていかねばならない。その話は前回にしました。それを、あらゆる手段の中から最適、かつ最強の組み合わせで達成するゲーム、というのが僕たちの仕事になります。

古川さんたちが持っている「アイテム」は何になりますか。

尊敬していない相手の言うことは1グラムも聞かない

古川:ゲームの目的も高い次元になっていますが、解決手段の種目も、とてつもなく拡大しました。CM、アート、コピー、デジタル、テクノロジー、データサイエンス、PR、プロモーション、コンテンツ、メディア、ビジネスデザイン、プロダクトデザインなどなど。

なるほど。電通の各部門、各専門、各領域のオンパレードになりますね。

古川:こうなると、核となる「コアアイデア」と到達点の「ゴールイメージ」を提示し、クオリティ管理をするCD(クリエーティブ・ディレクター)の役割が、加速度的に重要になってきます。

 電通に限らず、大きめのエージェンシー・クリエーティブの今後あるべき強い姿とは、20~30人くらいの世界レベルのECD(エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター)、それも多様かつ高度な専門性を持つECDを、常に所有することだと思います。

実力を持った人材の確保が、ますます重要になる、と。

古川:CDCのマネジメントは、そのゴールから逆算して、すべてのマネジメントアイデアを決めていくということになりますし、もうひとつのミッションである「才能のマネジメント」も、同様にそのゴールからの逆算になる、と僕は考えています。

日本では実力本位でものごとを進めると、後々までうらみが残って、すごく大変なことになる場合も多いです。広義のクリエーティブ、つまり「アイデア業」は、そのあたりは、すっきりとしているのですか。

古川:広告のクリエーティブって、上でも横でも斜めでも、ひとえにリスペクト関係で動くんですよ。上司が、というのではなく、リスペクトできる人が言うことは、だいたい全部聞く。逆にどんなに肩書きが上で、決定権を持っていても、リスペクトしていない相手の話は、1グラムも聞かない。少なくとも実作業では、そういう原則なんです。

 それは、ある意味健康的なことだと思っています。

電通CDCとは?

高度化する企業の抱える課題を複合的に解決するため、様々なセクションから実績のあるスペシャリストを集め、2009年に電通内に設けられた。構成は、テレビなどマスメディア・ベースのクリエーティブチーム、デジタル・ベースのクリエーティブ・チーム、ストラテジー・ベースのクリエーティブチーム。それぞれの専門性によって分かれているが、プロジェクトごとに横断的にチームを組む。今回のインタビュー・シリーズでは「マスメディア・クリエーティブチーム」から古川裕也氏、澤本嘉光氏、高崎卓馬氏、「デジタル・クリエーティブチーム」から佐々木康晴氏、岸勇希氏、「ストラテジー・クリエーティブチーム」から林信貴氏、樋口景一氏に話を聞く。

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「マネジメントにはロジックとフェロモンが必要」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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