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ベンチャー企業の社員生活は、田舎から始まる

Sansan×ネットプロテクションズ ぶっちゃけ人事トーク(その5)

2014年4月25日(金)

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 自分の社会的影響力を仕事で実感したい。そう思う就活生たちが、拙著『大手を蹴った若者が集まる 知る人ぞ知る会社』に登場してくるベンチャー企業に関心を寄せています。

 取材させてもらった企業のうちの2社、Sansanの角川素久さんとネットプロテクションズ(NP)の秋山瞬さんは、それぞれの人事担当者です。前回のトークでは、会社の壮大な理念と、面白いばかりではない日常業務の現実とのギャップの埋め方について話が広がりました。

 2社に入社することになった若者たちを、どのように育成しているのか。今回は、新人研修のやり方をめぐるトークです。Sansanは、ITベンチャーのサテライトオフィス誘致による地域再生で注目の徳島県神山町で、新人研修を行っています。過疎地の古民家で2週間、どんな研修をしているのでしょう?

(オバタカズユキ)

●Sansan株式会社●株式会社ネットプロテクションズ
[設立]2007年6月
[資本金]3億5800万円
[社員数]100人
[事業内容]名刺管理クラウドサービスの企画・開発・販売

 1976年生まれの寺田親弘社長が三井物産勤務を経て、同年代の役員たちと共に立ち上げた。現段階のメイン事業は、法人向けの名刺管理サービス「Sansan」。「世界を変える新たな価値を生み出す」というビジョンに向けて、社員が一丸となって働く社風が特徴的だ。徳島県神山町の古民家をサテライトオフィスとして利用するなど、ユニークな社内制度をたくさん設置している会社としても知られている。

[設立]2000年1月
[資本金]3億8500万円
[社員数]50人
[事業内容]後払い決済、企業間決済、クレジットカード決済等サービスの運営

 1975年生まれの柴田紳社長は日商岩井出身。IT系のベンチャーキャピタルに移り、1年目に買収案件として任されたのが資本金以外に何もないベンチャーのネットプロテクションズだった。長き修羅場の時期を経て、「つぎのアタリマエをつくる」というミッションを掲げる成長企業に変身。現在、オリックス傘下にあるが、社風は実にオープン、若手社員への権限委譲が非常に進んでいる。

(前回はこちらから)

オバタ:徳島県は神山の古民家での新人研修内容をざっくり教えてください。

角川:2週間の研修は、半分が肉体労働で、もう半分が知的労働といった感じです。1週目は、古民家の大掃除や改装工事などを、新入社員の若いパワーでやってもらう。そこには、自分たちの仕事場は自分たちでつくるんだ、という意識をもってもらう目的があります。

 あと、座学として、強みを活かすための当社独自のメソッド「強マッチ」のワークショップを行います。

オバタ:「ストレングス・ファインダー」や「エニアグラム」といったテキストを使って、社員それぞれの「強み」を理解し、チームの相乗効果を上げようという取り組みですね。

角川:そうです。2週目はグループワークが中心です。例えば、去年は地元の小学校で新入社員が先生となって課外授業をしました。お題は「イノベーション」。小学生にイノベーションとは何かを教える。

 当社は「世界を変える新たな価値を生み出す」ことをビジョンとしていますので、この言葉の意味を新入社員自身が深く理解するために、人に教えることを通して学んでもらったのです。好評だったので、今年は中学校で授業をさせていただきます。

編集Y:先生役というのはなかなか斬新ですね。

新入社員に何を教えるか?

角川:うちは、4月1日に新入社員を迎え入れ、東京の本社で入社式をやります。で、式が終わるとそのスーツ姿のまま、神山に全員連れていく。彼らの社会人生活は田舎から始まるということですね。

オバタ:どんな狙いがあって?

角川:それは会社のミッションが「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する」だからです。そう掲げているなら、僕ら自身の働き方も革新してみないと始まらない。

 毎日スーツを着てオフィスに出勤してデスクに座るのが仕事じゃない。でも新入社員に限らず、ともすれば私たちはそれで仕事をした気になりがちじゃないでしょうか。ネット環境さえ整っていれば、田舎の山の中でだって仕事はできるし、Sansanはそれを可能にするサービスを提供しているんだ。何より、成果を出して貢献することが仕事の本質だと実感してもらいたいんです。

オバタ:神山の研修では、OJTのように実際の仕事もするのですか?

角川:ええ、当然仕事もします。入社時には自分の配属部門が決まっているので、その上長から言われている課題を神山でこなすわけです。例えばエンジニアなら実際にプログラミングをする、営業ならそこからお客様に電話をかけてアポを取るといったことをやります。

オバタ:まるでノマド集団(笑)。

角川:そうやって田舎の缶詰状態を2週間も続けると、新入社員同士の絆が深まります。新入社員研修を通して、他部門の同期と仲間としての絆が強まる意義は大きいです。

 うちは法人向けの「Sansan」だけでも、営業やマーケティング、運用コンサルやサポートセンター、開発、名刺入力オペレーションなど多くのセクションがあります。どこか1つが欠けても成り立たない。2人3脚ならぬ7人8脚くらいの気持ちで全員が全速力で走って成長してきたサービスなので、部門間のコミュニケーションは非常に重要になります。

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「ベンチャー企業の社員生活は、田舎から始まる」の著者

オバタカズユキ

オバタカズユキ(おばた・かずゆき)

フリーライター、編集者

1964年、東京都生まれ。上智大学文学部卒業。出版社勤務後、フリーライターになる。社会時評、書評、取材レポート、聞き書きなど幅広く活躍

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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