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第2回 なぜ日本だけ食料自給率がこれほど低いのか

File1 危機に備える 柴田明夫

2014年5月13日(火)

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 新興国の需要拡大、作物の利用方法の多様化、水など環境資源の問題によって海外の食料市場では供給不足が懸念されている。しかも、2050年には世界人口は90億人になると予測され、その懸念は増すいっぽうだ。いまこそ、日本は食料危機を現実的な問題としてとらえ、食料を安定的に供給できるような体制をつくらねばならない。そのために必要なことは、「穀物の備蓄を拡大すること」、「輸入先を多角化すること」、そして「国内の農業資源をフル活用すること」の大きく3つが考えられると柴田さんは言う。

資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫さん。(以下撮影:森山将人)

「まず穀物の備蓄の拡大ですが、日本の主食である米の備蓄はおよそ90万トンです。米1トンで1年間養うことのできる人数は大人6~7人と言われていますから、いまの備蓄量ではすぐに底をついてしまいます。たとえば中国では、すでに絶対的な不足を想定して食料安全保障戦略という政策を進めていて、穀物の備蓄については需要を5億トンとし、そのうち3億トンの備蓄設備を設けて、2億トン以上の穀物を確保している。日本の場合は、不作など一時的な不足に備えているだけですから、これは早急に見直さなければなりません」

 なぜ穀物が重要なのかと言うと、栽培が容易、長期保存が可能な点などが挙げられるが、一番の理由は人間のエネルギー源となる炭水化物を多く含むことだ。およそ400万年といわれる人類の歴史のうち、人口が増えだしたのは小麦など穀物の農耕が始まった1万年前からである。狩猟と違って安定した収穫が得られて栄養もある穀物は、人間を慢性的な飢餓状態から救う食料であり、それは現在も変わらない。

 食料の安全保障という意味では、輸入先の多角化が必要だ。日本の輸入先はトウモロコシの75.5%、小麦52.9%、大豆61.6%(いずれも2012年)とアメリカに大きく依存しているのが現状。つまりはアメリカが輸出制限をしたりすれば日本はたちまち食料不足となる。新興国の輸入が拡大している現状では一局集中を避け、ロシアやウクライナ、中南米などに輸入先を広げておく必要があるという。

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「第2回 なぜ日本だけ食料自給率がこれほど低いのか」の著者

中川 明紀

中川 明紀(なかがわ・あき)

ライター

講談社で書籍、隔月誌、週刊誌の編集に携わったのち、2013年よりライターとして活動をスタート。インタビュー記事を中心に、雑誌や電子出版物で活躍している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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