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夜、塾でコンビニ弁当を食べている子供たちと「教養」

教養学舎代表に聞く「子供と親の現代的教養」

2014年5月13日(火)

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 学校ではない。学業補習を目的とする塾でもない。“子供のサードプレイス”“第三の学び舎(まなびや)”として注目され始めている「教養塾」。今年3月、名古屋市に開設した「エコル・ア・パンセ(教養学舎)」代表者である望月馨氏にいまなぜ教養なのか、“子供と親の教養”とは何か聞いた。

(聞き手は瀬川明秀)

望月馨(もちづき・かおり)
名古屋市生まれ、1987年に名古屋大学法学部法律学科卒業後、医療系総合商社勤務などを経て大学受験塾にて国語講師業務を11年間勤める。仕事の傍ら地域発グローバル人材の育成を目指すボランティアグループなどの地域活動にも取り組んできた。2013年に医学博士、飲食店経営者らとともに株式会社教養学舎を設立。翌2014年知性創造学習塾「エコル・ア・パンセ」事業を開始。10歳から18歳までを対象に子供の成長と親のキャリア形成をトータルに支援するという理念のもと、従来型の教科学習だけではなく、教養科目に加え、食事の用意、送迎など、親向けのサポートを充実させているのが特徴

教養学舎という名前をお伺いして、ハタと考えたのですが、そもそも「教養」って何でしょう。学校での教科学習をベースに、社会や親友たちとの接触を通じて学び得るものを「教養」と考えている方々が多いと思うのですが、子供たちをみてきた専門家から見て、教養とは? いまの学校が子供たちの教養習得に機能していない、ということでしょうか?

望月:小学校から高校まで、いまの教科学習カリキュラム中心の方法が、子供たちにとって無益だとかダメだとかは思っていません。そもそも大学での高等教育には中等教育までの下地が絶対的に必要ですし、学校での教科学習が円滑に進むことは子供たちにとって大きな自信になります。また、社会や親友たちを通じて学び得るものも「教養」としてとても重要な要素でしょう。ただ、それだけじゃないと考えています。

それだけじゃない?

望月:私たちが言う「教養」とは、未知の課題・解決困難な事象に対処するためにあらかじめ身につけておくべき素養全般のことです。その素養を育むことに関与するのが、学校と親、そして第三の学び舎だと考えています。

 私たちは学業成績を教養の1つの要素と位置づけ、とても重要ではあるけれども絶対視はしていません。先ほども言いましたが学業成績をあげることは子供の意欲や自信を高めるための手段にはしますが、目的にはしていなんです。

なるほど。

 子供が育つ上で大事な力は何かといえば、まずは自主的な学びを楽しむ力です。これを持たないまま「大学に進む」生徒たちが増えているのが、問題ではないかと思ってきました。

 残念ながら、従来の学習塾の多くは、学校の試験での成績や有名校への進学実績をあげることだけに注力してます。個々の子供たちに学習の楽しさだけを伝える余裕はありません。前年度に出題されたその学校のテスト問題を解かせてできれば内申点を稼げるのでそれで良い、というやり方すらあるのです。

 そんな状況を見ていると、親も学校も塾も変革し切れていないと痛感します。10代の子たちがグローバル社会における教養を身につけ一人前の社会人となっていく素地をつくる機会が著しく欠けているのです。今、親の世代である、20~40代が昔を振り返って比較することにはほとんど意味がありません。現代は、昔以上に時代が必要とする生きるための知恵を「学ぶ」機会が減っているのです。私たちはあえてその機会を設けようとしています。

コメント7件コメント/レビュー

教養を養うという理想と塾という現実でかなり苦労していると感じさせるインタビューでした。昔は補習塾と呼ばれるものがそれなりにあって、学校の勉強だけでついていけない人を教えていました。しかし、受験突破を売りにした方が儲かるようで、多くの塾がそちらに行ってしまったと感じています。教養というキーワードでその風潮に楔を打ち込むことができればと思います。▽記事の中でも述べられているように目の前のテストの正解率を上げる行為ばかりをしていると、入試は突破できるかもしれませんが、その後が続かないというのが実際です。東大に大量の合格者をだすような中高一貫校の中には東大での留年率が高いところがいくつかあるそうです。そのあたりの実態が報道されるようになると世間の見方もかわるのではないかと思っています。(2014/05/13)

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「夜、塾でコンビニ弁当を食べている子供たちと「教養」」の著者

瀬川 明秀

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ビジネスアソシエなどを経て、日経ビジネスオンライン開設後はオンライン編集がメインの業務。2012年からは日経BPビジョナリー経営研究所の研究員を兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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教養を養うという理想と塾という現実でかなり苦労していると感じさせるインタビューでした。昔は補習塾と呼ばれるものがそれなりにあって、学校の勉強だけでついていけない人を教えていました。しかし、受験突破を売りにした方が儲かるようで、多くの塾がそちらに行ってしまったと感じています。教養というキーワードでその風潮に楔を打ち込むことができればと思います。▽記事の中でも述べられているように目の前のテストの正解率を上げる行為ばかりをしていると、入試は突破できるかもしれませんが、その後が続かないというのが実際です。東大に大量の合格者をだすような中高一貫校の中には東大での留年率が高いところがいくつかあるそうです。そのあたりの実態が報道されるようになると世間の見方もかわるのではないかと思っています。(2014/05/13)

「小中学生LINE夜間禁止は、タバコ禁止の規制趣旨と同様に、未発達な子供の自己加害を抑制するために、原則自由なネット通信へ加えた例外的規制として、必要でやむを得ない措置だと考えます。」タバコは未成年だけでなく、すべての年代で禁止すべきものです。(2014/05/13)

「教養」塾のセールスポイントはなかなか難しい。3人の子育てがやっと終わった立場から言わせてもらえば、公立教育がレベルダウンしたことは間違いなく、それを埋めるために早くから私立中学のお受験のために塾通いが始まる。しかしそこで教えるのはコラムでの指摘とは違って単なる知識と受験術ではない。というのは、有名中学の入試問題を見れば分かるが、どれも単なる知識だけでは解けず考える力を要求するものとなっており、実績のある進学塾もまさに教養を身につけることに力を入れている。学校ではできない実験をしたり本を読ませて感想文を書かせることもある。そして入学した一貫校でも公立では望むべくもない幅広い教養人の養成がウリである。これを本流とすれば、教養塾はあくまで公教育の補完という位置付けを脱しきれないのではあるまいか。望月氏の語る教育論が自らの子育て体験に根差したものと感じられないのは残念である。(2014/05/13)

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三品 和広 神戸大学教授