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集団的自衛権行使の考え方はこれまでも変わってきた

中国の海洋進出はこれでも変わらない

2014年5月20日(火)

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安倍晋三首相が集団的自衛権の行使容認へ本格的に動き出した。中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発など安全保障環境の変化が背景にある。集団的自衛権の行使は、本当に必要なのか。日本に何をもたらすのか。安全保障の進路と影響をアジア政治外交史が専門の川島真・東京大学大学院准教授に聞いた。

(聞き手は田村 賢司)

安倍首相は、集団的自衛権の行使容認へ「政府として検討を始める」とした。まず解釈変更をどう捉える。

川島:集団的自衛権自体はどの国家も持つのは前提だ。これを保有すること自体はおかしな事でも何でもない。

川島 真(かわしま・しん)
1968年生まれ。97年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学、北海道大学法学部助教授などを経て、2006年から現職。この間、中央研究院(台北)、北京日本学研究センター、国立政治大学(台北)、北京大学、米ウィルソンセンターなどで在外研究・教育に携わってきた。(撮影:柚木裕司)

 加えて日本政府が、現憲法下でそれを一貫して否定し続けてきたということもない。元々、持っているとしている。そして、それを行使するかしないかについても解釈は変わっている。

 特に佐藤栄作政権期に境に集団的自衛権の解釈は変わっている。以前の「(集団的自衛権を)持っているから行使できる(あるいはその都度考慮する)」から、「持っているけど行使できない」への変化が始まっている。この時代には、ベトナム戦争があった。日本に集団的自衛権はあるが、米国のために他国に自衛隊を派兵することはできないということだったようだ。社会党との国会運営をめぐる調整で、佐藤政権が妥協したと見ることもできる。

 そして、田中角栄内閣に変わった直後の72年10月、「集団的自衛権を有しているとしても、行使は憲法の容認する自衛の措置の限界を超えるもので、憲法上許されない」との見解を国会に提示している。

 ところが、こうして「集団的自衛権を行使できる」から「行使できない」変わったものが、その後はあたかも伝統的に「行使できない」かのような印象を与えてきたということだ。

米国による安全保障の限界が真の原因

首相の諮問機関である安保法制懇は、安全保障環境の変化から「憲法上認められる必要最小限度の自衛権の中に、集団的自衛権も含まれると解釈して行使を認めるべき」とした。環境変化の中で「必要最小限度の自衛権」が変わったということか。

川島:今回、安保法制懇が集団的自衛権を行使できるとする根拠は、必要最小限の自衛権という部分にあるということだ。

 やはり、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発など日本を取り巻く安全保障環境の変化があり、必要最小限度の自衛権の解釈も変わったということだろう。

 少し余談だが「認めるべき」とは、強い表現を使ったなという印象はある。安保法制懇は諮問機関だから、総理に意見を具申申し上げる立場。普通にいえば、「望ましい」など色んな言葉がある。そのなかで「べき」といのは強い言葉だなという印象はある。

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「集団的自衛権行使の考え方はこれまでも変わってきた」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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