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エネルギーで考える「風が吹けば桶屋が儲かる」

高井裕之・住友商事グローバルリサーチ社長に聞く

2014年5月26日(月)

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 米国発の「シェールガス革命」を発端に、世界のエネルギー地図が大きく変化している。「アラブの春」や東京電力福島第1原子力発電所の事故、さらにウクライナ危機などが、状況をさらに複雑にしている。それぞれの出来事が相互に影響を及ぼし合い、その様子はまさに「風が吹けば桶屋が儲かる」状態だ。

 今、世界ではどのような変化が起きているのか。コモディティーやエネルギー情勢に詳しい、住友商事グローバルリサーチの高井裕之社長に聞いた。

(聞き手は大竹 剛)

世界のエネルギーを巡る環境が目まぐるしく動いています。米国のシェール革命や、日本の福島第1原子力発電所の事故、そして、ウクライナ危機。今、世界で何が起きているのでしょうか。

高井 裕之(たかい・ひろゆき)
1980年住友商事入社。2003年コモディティビジネス部長。2008年金融事業本部長。2011年エネルギー本部長。2013年住友商事総合研究所社長。2014年4月から執行役員兼住友商事グローバルリサーチ社長(写真:的野 弘路、以下同)

高井:まずは、米国のシェール革命を起点に考えると分かりやすいと思います。

 そもそも、シェールガスを開発する「フラッキング(水圧破砕)」と呼ばれる技術は、ジョージ・ミッチェル氏(「シェール革命の父」と言われる人物)が1980年代に発明したもので、実は目新しくはありません。しかし、その技術は、米国で金融危機が発生する直前の2007年頃から本格的に使われるようになり、2011年頃には世界中から注目されるようになりました。

 その理由は、シェールガスによって、米国が2018~19年頃には天然ガスを完全に自給自足できるようになるからです。さらに、その先は輸出国に変わります。これまで米国は、液化天然ガス(LNG)の輸入国でしたから、劇的な変化です。

 そして、ちょうどそのシェール革命が米国で盛り上がっている時に、日本で「3.11」が起きたのです。

 福島第1原子力発電所で事故が起きた後、電力不足を補うためにカタールから多くのLNGが日本に輸入されました。あの時、どうしてカタールは日本に供給できるだけの余剰のLNGを持っていたのでしょうか。

 実はカタールは、米国がLNGの有力な輸入国になるとの思惑で、米国向けにLNGの供給能力を増やしていました。しかし、米国でシェール革命が起きたことで、その思惑が外れてしまった。カタールは、想定していたガスの売り先を失い、困っていたのです。

 そこに、東日本震災が起きたことで、カタールは余ったガスを日本に売ることができたわけです。その一方で、日本はそのガスを使って急場をしのぐことができた。両者にとっては不幸中の幸いでした。

「3.11」、日本は米国のシェール革命に救われた

逆に言えば、もし、あの時、米国でシェール革命が起きていなかったら、日本はかなり厳しい状況に追い込まれていたというわけですか。

高井:カタールのLNGは予定通り米国に輸出されていたでしょう。日本が原発事故で失った電力供給を賄うだけのLNGを調達できなかったかもしれません。そして、LNGの価格は相当、高騰していたはずです。

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「エネルギーで考える「風が吹けば桶屋が儲かる」」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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