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集団的自衛権の行使容認は日本攻撃への抑止力にならない

2014年6月3日(火)

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論争の続く集団的自衛権の行使容認問題。安倍晋三首相は与党協議を進め、「年末までに方針が固まるのが理想的」と踏み込む。しかし、かつて防衛庁の官房長、内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)を務めた柳沢協二氏は、「行使容認は日本への攻撃の抑止力にならない」「日本を戦争に巻き込む恐れがある」と強く批判する。その意図を聞いた。(聞き手は田村賢司)

安倍首相の進める集団的自衛権行使容認に否定的な見方をしている。問題はどこにあるのか。

柳沢協二(やなぎさわ・きょうじ)
1946年10月生まれ。70年防衛庁に入庁。防衛庁運用局長などを務め、2002年1月、官房長就任。2004年4月から2009年秋まで内閣官房副長官補。

柳沢:これまで日本は長く、集団的自衛権を「持っているが、使えない」としてきた。それを変えなければいけない状況に今なっているのか。憲法解釈の仕方まで変えないといけない状況なのか。そんなことはない。

 安倍首相は、日本人を乗せた米輸送艦の護衛や米国に向かうミサイルを迎撃するなど、限定的な集団的自衛権行使は可能としているが、日本防衛の必要最小限度とは言えず、限定と言っても、1つ穴が開けば無限に広がる。日本は米国の武力行使に過去一度も反対したことはないが、米国に協力を要請された時に断れるのか。集団的自衛権の行使容認は、日本を戦争当事国にしやすくし、他国が日本を攻撃する誘因を生むことになりかねない。

グレーゾーン事態も現行法で対応できる

だが、現実に沖縄県・尖閣諸島を巡る中国との紛争や、北朝鮮の核ミサイル開発疑惑など環境は変化している。現行法制では対処しきれないとの指摘も根強い。

柳沢:まず、北朝鮮についてはあの国の疲弊しきった経済の状況などを見ても戦争を出来る状況ではないことは分かる。また、尖閣諸島については、日本の領土であるから日本に対する攻撃を排除する個別的自衛権で対応すべきことだ。

 武装し、漁民などを装った勢力が離島を占拠したような場合にどう対応するかといったグレーゾーン事態などがしばしば言われるが、既に現行法制で対応できるようにしている。

 武装勢力の背後にある国がいることが分かれば、その時点では自衛隊は武力を行使できる。これは国連の「侵略の定義」でも明らかだ。それが分からない状態の場合は、まず海上保安庁が対処する。しかし、武装勢力がバズーカ砲など重火器を持っている場合は、自衛隊が出動し、武器使用できる。既に自衛隊法90条でそれも規定している。

武装勢力が、突然襲ってくる緊急時にも対処可能なのか。ゲリラの急襲にどう対応するのか。

柳沢:まず、そうした動きに対しては自衛隊も海上保安庁も常に情報収集をしている。虚をつかれるのは法律の問題ではない。しばしば緊急事態に間に合わない恐れがあると言われるが、自衛隊は相手の状況も分からずに出動はできない。部隊側の準備と並行して閣議決定することは十分可能だ。

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「集団的自衛権の行使容認は日本攻撃への抑止力にならない」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師