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第1回 惨たんたる日本の漁業

File2 漁業復活の処方箋 小松正之

2014年6月9日(月)

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「2048年には世界の海で魚が獲れなくなる」

 カナダの大学をはじめとする国際チームが、2006年11月にアメリカの科学専門誌「サイエンス」に発表した研究報告である。やや前の話だが、世界中に衝撃を与えた報告だったので、記憶に留めている方も少なくないだろう。

魚介類壊滅の危機

 世界中の海洋や魚群の調査データを、2003年までの50年あまりにわたって解析した結果、漁獲された魚のうち29%が、10分の1の漁獲量に減少していた。主な原因は、汚染や乱獲による生態系の破壊とみられ、これは湖や川でも同じ傾向であり、何の対策もしなければ、天然の魚介類は壊滅状態に陥ってしまう、という内容だ。

水産業のオピニオンリーダーとして活躍する小松正之さん。2005年にはニューズウィーク誌「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれた。『ウナギとマグロだけじゃない! 日本の海から魚が消える日』(マガジンランド)、『日本の食卓から魚が消える日』(日本経済新聞出版社)などの著書がある。(以下撮影:的野弘路)

 2050年には人口が90億人を超えると推測されている。食糧不足が懸念されるなかで、自然の恵みである魚介類についても保護に努め、より多くを持続的に食べられるようにすることは人間の義務だろう。しかも、魚のほうが陸上の動物より天然資源としてずっと利用される割合が高い。

 近い将来、本当に魚が食べられなくなるのだろうか。もしそうだとしたら、防ぐための手立てはあるのか。

「いまの日本の状況は惨たんたるものです」

 漁業の現状をそう言い切るのは、国際東アジア研究センター客員主席研究員の小松正之さんだ。1977年に水産庁に入庁後、30年以上にわたって水産業の発展に尽力。『ウナギとマグロだけじゃない! 日本の海から魚が消える日』(マガジンランド)など多くの著書で、日本漁業の危機を訴えている水産業のオピニオンリーダーである。

『ナショナル ジオグラフィック日本版』本誌2014年6月号では2050年、90億人時代に向けて持続的な養殖の可能性を探る特集「食を支える未来の養殖」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

コメント3件コメント/レビュー

世界中で乱獲を続け、にもかかわらず魚は肉より高い。危機感を募らせていましたが、遅くなる前に手を打ちたいですね(2014/06/09)

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「第1回 惨たんたる日本の漁業」の著者

中川 明紀

中川 明紀(なかがわ・あき)

ライター

講談社で書籍、隔月誌、週刊誌の編集に携わったのち、2013年よりライターとして活動をスタート。インタビュー記事を中心に、雑誌や電子出版物で活躍している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

世界中で乱獲を続け、にもかかわらず魚は肉より高い。危機感を募らせていましたが、遅くなる前に手を打ちたいですね(2014/06/09)

日本周辺に関して言えば、現在のマグロもウナギもそうですが、日本が漁獲量を科学的にいくら制限しても無意味です。なぜなら、中国・韓国・ロシアという国際協定を守らない国に囲まれてしまっているからです。海に実質的には境界線がない以上、魚という資源を守るためには周辺国と打ち合わせた上での行動が必要となりますが、日本が主体的に行ったところで果たして・・・海洋資源を本当に守るという意味では、少なくとも日本海溝周辺に密漁に来るような海外の漁船を追い払う能力を海上保安庁にもたせるか、海上自衛隊による実力行使を認め、拿捕・多額の賠償金を取ることが可能になるような法案を作成しておく必要があります。また、日本の水産業者もトレーサービリティについて責任を持ち、例えば「違法な操業によるウナギの稚魚を買わない」というような運動(何かしらの強制力を働かせる)を行わない限り絵にかいた餅になるのは明らかですよ。(2014/06/09)

漁業者や行政ばかりを責められるだろうか。メディアのグルメ番組はどうか。シラス丼だ何だ、白魚だ、いくらだ、と稚魚や魚卵を囃し立てる。メディアがおかしいのではないか。(2014/06/09)

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