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第3回 「新潟方式」が日本の天然漁業を救う

File2 漁業復活の処方箋 小松正之

2014年6月11日(水)

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 日本の漁業界を衰退に導く漁業資源の管理方式と悪しき補助金。この状況を切り開くには、それらが誤りだと気付かせるだけの新しい方法、そして結果が必要だ。そこで小松さんは、新潟県でIQ方式に取り組み始めた。きっかけは2008年に新潟で開催された「豊かな海づくり大会」。水産業の知識と海の環境保全に対する意識を深めるために、毎年開催地を変えて行われるイベントである。

30年以上にわたって水産業の発展に尽力し続けている小松正之さん。『ウナギとマグロだけじゃない! 日本の海から魚が消える日』(マガジンランド)、『日本の食卓から魚が消える日』(日本経済新聞出版社)などの著書がある。(以下撮影:的野弘路)

「大会の後に泉田裕彦知事が、新潟も漁業の衰退がひどいので回復をしなければならない、アイスランドやノルウェーの方式を学びたいと連絡をくださいました。私はすぐに会いに行って知事と話し、新潟でIQ方式の取り組みを始めましょうと知事から指示を得ました。そこで委員会を立ち上げ、2011年から日本初のIQ方式のモデル事業を開始したのです」

 対象の魚種は、一般的に「甘エビ」と言われる「ホッコクアカエビ」。北太平洋に広く分布していて、日本海では北海道から鳥取県あたりまでの沖で獲れ、北海道が約半数、次いで石川・福井・新潟の漁獲量が多い。新潟県では1972年に1250トンを記録したが、その後は減少して2013年には400トン超となっている。

突破口はホッコクアカエビ

「ホッコクアカエビは新潟にとって重要な水産資源です。そのうえ、エビは卵からふ化しても広範囲に回遊しないといわれているため、資源管理が比較的容易なのです。高額商品であるためデータも多く、経済的な価値も高い。対象種に選んだ理由はここにあります」

 新潟のホッコクアカエビ漁は底引き網漁とかご漁があるが、より管理がしやすいことから、モデル事業は佐渡の赤泊地区のかご漁を対象としている。先にも少し触れたが、IQによる成果はおもに3つあるという。まず、最大の成果として資源が回復することだ。TACを漁業者に振り分けることによって、取り締まりがしやすく乱獲がなくなるために、魚が育って繁殖可能な親魚が増えるのである。

『ナショナル ジオグラフィック日本版』本誌2014年6月号では2050年、90億人時代に向けて持続的な養殖の可能性を探る特集「食を支える未来の養殖」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

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「第3回 「新潟方式」が日本の天然漁業を救う」の著者

中川 明紀

中川 明紀(なかがわ・あき)

ライター

講談社で書籍、隔月誌、週刊誌の編集に携わったのち、2013年よりライターとして活動をスタート。インタビュー記事を中心に、雑誌や電子出版物で活躍している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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