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第4回 漁業復活のために「うるさいおばさん」になろう

File2 漁業復活の処方箋 小松正之

2014年6月12日(木)

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 日本の養殖技術は世界有数だと言われている。1928年にはブリの養殖に成功し、いまや世界1、2位を争うチリのサケ養殖業の技術は日本の企業が教えたものだ。近年では、ウナギやクロマグロを卵から人工的に育て、技術的には完全養殖に成功している。その日本の養殖業がなぜ衰退しているのか。

小規模コスト高がネックに

30年以上にわたり日本の水産業の発展に尽力し、オピニオンリーダーとして活躍する小松正之さん。(以下撮影:的野弘路)

「日本の場合、経営規模が小さく生産効率が低いことが問題です。日本のサケの養殖は直径20メートルの生け簀で行われますが、ノルウェーの場合は全長150メートルにもおよぶ。日本は就労者の年齢も高く個人経営が多いので、生産効率から価格を決めるとしたらノルウェーのサケのほうが断然安くなり、市場にも出回りやすくなります」

 2002年に完全養殖に成功したクロマグロは、国際的にも漁獲量が制限されているため注目はされているが、人工ふ化はまだまだ死亡率が高く、技術コストもかかることからやはり大規模化するのは難しい。いまや日本人が口にする9割以上が養殖のウナギも、資源管理をしないことで稚魚の漁獲量が減り、また養鰻池を保温するための燃料代は増加して養鰻業者の経営を圧迫。養殖ウナギの生産量は1985年の4万1094トンの半分ほどに落ち込んでいる。

 しかも、養殖そのものにおいても問題が多いと小松さんは言う。畜産と同じように、栽培するという意味で餌と人間の食料が競合するからだ。世界では魚も植物性タンパクで育てて生産を増やそうという考え方があり、ノルウェーでは研究が始まっている。

『ナショナル ジオグラフィック日本版』本誌2014年6月号では2050年、90億人時代に向けて持続的な養殖の可能性を探る特集「食を支える未来の養殖」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

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「第4回 漁業復活のために「うるさいおばさん」になろう」の著者

中川 明紀

中川 明紀(なかがわ・あき)

ライター

講談社で書籍、隔月誌、週刊誌の編集に携わったのち、2013年よりライターとして活動をスタート。インタビュー記事を中心に、雑誌や電子出版物で活躍している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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