高田明社長の強烈なリーダーシップによって成長を遂げてきたジャパネットたかた。その存在感が強烈過ぎるがゆえに、世間やネット上では「社長がいなくなったら終わり」との影口もたたかれてきた。当の社員たちは「高田明のいない未来」をどう考えているのか。長男の高田旭人副社長を直撃した。

旭人副社長自身は、高田社長の「過去最高益を更新できなければ社長を辞める」という宣言をいつ聞いたのですか。
高田:社長本人から聞いたわけではなく、新聞か何かを読んで知りました。事前の説明は一切ありません。いつもそうなので慣れました(笑)。ついでに言えば、「最長2年で社長を辞める」というのも大望年会の場で初めて知ったくらいです。
確か、最初に聞いたときは「まだ若いし、そんなことを言わなくたっていいのに」と社長に言った気がします。ただ徐々に社長がどんな思いで言ったのか、その真意を感じるようになりました。
2013年はどんな1年でしたか。
高田:13年は社員にとっても私にとっても本当にきつい1年でした。特に、社長に全く頼れない状況に置かれた東京オフィスのメンバーは自分の身一つで戦うことの苦しさを実感したと思います。
私自身、この1年、一番苦しかったのは「数字にこだわること」と「これからこの会社が走り続けていくための土台をつくること」の両建てで取り組まなければならなかったことです。
社長を辞めさせたくないので、是が非でも目標は達成しなければならない。その一方で、場合によっては来年から自分がこの会社を背負うことになるかもしれないわけですから。
「誰でも」「いつでも」できる再現性にこだわる
具体的にはどんなことに取り組んだのですか。
高田:再現性のある企画、組織づくりや人材の強化などにこだわりました。社長はいつか会社を離れます。再現性を重視したのは、高田明のいない未来への準備を今、する必要があったからです。
お父さんの見た目、トークを引き継げない限り、会社の規模は小さくなって行くと思われます。がんばってくださいね。(2014/06/28)