• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「変える勇気と変えない冷静さを」

File2 榮太樓總本鋪 細田治会長

2014年7月1日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 世界の中でも日本は、長生きする企業、いわゆる老舗が多い国だ。サステナブルという言葉が登場する前から、日本には「継続を前提とした経営」を行ってきた企業が、数え切れないほど存在してきた。時代の先を読み、半歩なり一歩先の手を打ってきたからこそ、長きにわたって存続してきたのである。そこにどんな知恵があるのか、何を大事にして、これからどこに進もうとしているのか。本稿では、老舗と呼ばれる企業の経営トップに話を聞いていく。

 第2回は、江戸期創業の和菓子鋪、榮太樓總本鋪の会長を務める細田治さんに登場いただいた。本社はまさに日本橋の袂、場の空気に江戸の老舗らしさが漂っている。ちゃきちゃきの江戸っ子である細田さんは、過去から現在、未来に向けた視点を明快に語ってくれた。

江戸期創業の榮太樓總本鋪。細田治会長はニーバーの祈りを引きながら「変えるべきことを変える勇気、変えてはいけないものを変えない冷静さ、そして、それらを識別する知恵こそ大事」と説く。(写真:尾関裕士、以下同)

江戸菓子の良さを後世に伝えていく義務がある

川島:榮太樓總本鋪(以下、榮太樓)と言って思い浮かぶのは、やはり飴や金鍔。和菓子の老舗というイメージが強くあります。日本橋が発祥の地というのも、日本の良き伝統を感じさせます。

細田:江戸時代の安政四年(1857年)、三代目である細田安兵衛が日本橋にのれんを構えたのが、ここの始まりです。それまで屋台のようなところでやっていたのを、店を構えて菓子屋を始めたのです。安兵衛の幼名だった栄太郎という名にちなんで屋号を榮太樓とし、江戸菓子を商いとしてきました。

川島:160年余りの歴史を持っているというのは、やはり凄いことです。代々続いてきた家業という意味からも、「絶やしてはいけない」という思いを強く持っていらっしゃるのでしょうね。

細田:それはもう当然のことです。榮太樓という企業を絶やしてはいけないことはもちろん、初代が創った菓子屋としての矜持も守っていかなければならないと考えてきました。たとえば、この飴ひとつとっても、創業時になかった素材は使っていないのです。

川島:どういうことですか?

細田:人工の添加剤や着色料、香料といったものを、一切使わずに作っています。南蛮から渡来してきた飴菓子に工夫を凝らした「榮太樓飴」に加え、無香料のフルーツキャンデーである「果汁飴」も昔から続けてきたものです。香料を使っていない飴は、世界中探しても、恐らくうちだけと言っていいのではないでしょうか。金鍔に使っている餡も同様です。関東風の餡にこだわって、金鍔の餡は、絶対これでないといけないと、作り続けてきたものなのです。

川島:関東風の餡とは、どういうものなのですか?

細田:小豆だけで作った色の濃い餡のことです。他に、関西風の餡というものもあります。「赤福」に使われている餡は、まさに関西風の代表格と言えるもので、白小豆(しろしょうず)もしくは白いんげん豆(大手亡)を混ぜて作るので、味もあっさりしている。とてもおいしい餡です。ただうちは、江戸菓子を扱う店として、関東風の餡にこだわってきたのです。

コメント0

「老舗に問う サステナブル経営の要諦」のバックナンバー

一覧

「「変える勇気と変えない冷静さを」」の著者

川島 蓉子

川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官