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企業統治強化で日本株は今、買い時

米コーンウォールキャピタルのパートナー、JCスワーン氏に聞く

2014年6月20日(金)

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 安倍晋三政権の誕生以来、日本株を積極的に買っている外国人投資家。そんな投資家の1つが、米ヘッジファンドのコーウォールキャピタルだ。米国でベストセラーとなり、日本でも話題を呼んだマイケル・ルイス著の『世紀の空売り』にも登場し、2007年のサブプライム危機の到来を早く予見したことで莫大な利益を得たファンドとして知られる。日本では昨年秋から割安の中小型株を積極的に購入し、建機向けの鍛造品などを手がけるシンニッタンの5.7%、東証2部のヒラノテクノシードも6.9%を保有する大株主として浮上している。

 「日本株に投資するには今が絶好のタイミングだ」と同ファンドの4人いるパートナーの一人、JC・スワーン氏は語る。海外のヘッジファンドと言えば敵対的買収を仕掛けてくる投資家とのイメージが強いが、「我々は長期的視点に立って中小型株に投資している。投資先企業と一緒に企業価値を高めるのが狙いだ」と強調する。スワーン氏その考え方を聞いた。

(聞き手は石黒 千賀子)

ジャン=クリストフ・デ・スワーン(Jean-Christorphe de Swaan)
1971年フランス・パリ生まれ。93年米エール大学(政治学及び芸術史専攻)を卒業後、94年英ケンブリッジ大学トリニティカレッジにて国際関係論で修士(MPhil)を取得、99年米ハーバード大学ケネディスクール(行政大学院)にて公共政策で修士取得。99~2005年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務し、ニューヨークオフィスやシンガポールオフィスにてアジアにおける企業の買収や企業戦略のコンサルティングを行った。2005~2008年には、アジア投資を手がける米ヘッジファンド、サンサールキャピタルでアナリストを務めた後、2010年初めに米コーンウォール・キャピタルのパートナーに就任、現在に至る。
2009年からは米プリンストン大学経済学部でレクチャラー(講師)として学部、大学院で「ファイナンスにおける倫理」といった授業も担当。英ケンブリッジ大学ジャッジ経営大学院などでもファイナンスなどを教えている。米ウォールストリート・ジャーナルに論評も時折、寄せている。(写真:的野弘路、以下同じ)

かなり日本株に投資をしているそうですね。

スワーン氏:はい、毎日、ポジションを増やしています。もっとも、私たちが投資している企業は、余り知られていない企業が多いため、実はあまり株が出回らず、日々、大量に買い増しができるわけではありません。投資しているのは、比較的規模が小さく、割安に評価されている優良企業です。

 キャッシュフローを潤沢に生み出すビジネスモデルを持っていて、借金はあってもわずかか実質無借金経営。大規模な設備投資の必要がなく、手元資金を豊富に抱えている企業です。時として手元資金の額がその企業の時価総額の半分、あるいは時価総額を超えているというケースもあります。にもかかわらず、極めて低い株価しかついていない。こんな魅力的な企業が日本には数多くあります。

 こうした割安に評価されている日本企業の株については既に数年前、あるいは10年前から多くのヘッジファンドが投資してきたものの、長年なかなか株価が上がらず、結局、利益を出すことができない「バリュートラップ株」として知られてきました。しかし、私たちは、今度こそこれらの企業の株価は上昇すると見ており、ゆえに今こそ投資すべきタイミングだと判断しています。

企業統治強化への動きは過小評価されている

なぜ今回こそは上がると見込めるのでしょうか。

スワーン氏:理由は3つあります。第1は、日本が取り組んできた様々な改革がここへ来て効果を上げつつあると見ているからです。様々な改革というのは、1つひとつは小さな一歩かもしれないが、一連の取り組みが重なってきたことで、日本の企業には今、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化を含め、大きなダイナミズムが起きてきています。これが企業価値を高めていくことにつながるだろうと見ているということです。

コメント1件コメント/レビュー

既に潤沢なキャッシュフローを生み出す事業モデルを持っている会社に投資対象を絞り事業戦略について口を出さない。株式保有比率が5%に届く前に連絡を入れる。ここが失敗に終わった他の多くの投資ファンドとの大きな分かれ目でしょう。ほとんどの投資ファンドは、いきなり大量の株を買い付け、時間的猶予もほとんど与えず早急なリストラ策を打ち出しがちです。これが日本人にとっては「(リストラそのものが必要なのは頭ではわかっているが)早い 早過ぎる!」となりそっぽを向かれてしまう原因となります。日本では会社は株主だけのものではなく、従業員や地域社会に生かして貰っていると考えがちです。この発想に共感できない投資家の方は日本では成功出来ないでしょう。(2014/06/20)

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「企業統治強化で日本株は今、買い時」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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既に潤沢なキャッシュフローを生み出す事業モデルを持っている会社に投資対象を絞り事業戦略について口を出さない。株式保有比率が5%に届く前に連絡を入れる。ここが失敗に終わった他の多くの投資ファンドとの大きな分かれ目でしょう。ほとんどの投資ファンドは、いきなり大量の株を買い付け、時間的猶予もほとんど与えず早急なリストラ策を打ち出しがちです。これが日本人にとっては「(リストラそのものが必要なのは頭ではわかっているが)早い 早過ぎる!」となりそっぽを向かれてしまう原因となります。日本では会社は株主だけのものではなく、従業員や地域社会に生かして貰っていると考えがちです。この発想に共感できない投資家の方は日本では成功出来ないでしょう。(2014/06/20)

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