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第3回 アフリカの「緑の革命」に本当に必要なもの

File3 アフリカの稲作指導 坪井達史

2014年7月9日(水)

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 2050年、ネリカが不足するアフリカの食料を補う穀物となるためには、坪井さんは生産性を上げる必要があると語る。そして、それを実現するにはいくつかの課題があるという。

「第一に機械化です。生産性を制限してしまう要因のひとつは労働力ですが、アフリカの農業はほとんどが人力によるもの。ネリカにしても、赴任当初は脱穀機もないから収穫した稲穂を叩いて籾を落としていたんです。でも終わった穂を見ると、籾がたくさん残っている。これではいくら穂の籾数が多くても意味がありません」

棒による叩きつけ脱穀。これだと籾がたくさん残ってしまう。(画像提供:坪井達史)

 そこで坪井さんは、首都・カンパラにある町工場のメカニシャンに、足踏みタイプとエンジン付きタイプの脱穀機の製造を研修したうえで、10台ずつ購入。農村に置くようにした。さらに、ネリカの種を求めてきた他の援助団体にも脱穀機の購入を勧め、普及に努めたという。「その町工場は製造依頼が増えて、すごく大きくなりました」と坪井さんは笑う。

機械化をいかに進めるか

 また、陸稲が新たに栽培された村には精米所がなく、人びとは収穫後に重さが100キロ程度ある籾袋を自転車に乗せ、精米所がある町までその自転車を押して歩かなければならなかった。そこで、トラックに精米機を載せて村々をまわる「移動精米所」をつくった。今後は耕耘機を導入していきたいという。

人びとは自転車で重さ100キロもある米袋を運んでいた(左)。トラックに精米機を載せた「移動精米所」(右)。(画像提供:坪井達史)

「1992年に初めてアフリカにきたとき、まったく耕耘機を見かけませんでした。みんな鍬で畑を耕しているんです。日本では私が小学生の頃に耕耘機が登場し、10年も経たないうちにほとんどの農家に普及しました。それから20年以上が過ぎ、耕耘機が世の中に存在しているにもかかわらず、アフリカにはなかった。さらに22年が経ちましたが、いまだ状況は変わっていません」

まだ人力で畑を耕しているところがほとんどだ。(画像提供:坪井達史)

『ナショナル ジオグラフィック日本版』本誌2014年6月号では2050年、90億人時代に向けた特集「沸騰するアフリカの農業開発」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

コメント5件コメント/レビュー

素晴らしいですね。直接日本の利益にならなくても良いし現地の人達の選択で結果的に淘汰されても良いので、現地の人達の長期的な利益になるような取組を根気よく続けていって欲しいです。人類はそうやって過去の文明から生まれた知恵を地域を越えて受け継いで来て、今の豊かさがあるのだから。(2014/07/09)

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「第3回 アフリカの「緑の革命」に本当に必要なもの」の著者

中川 明紀

中川 明紀(なかがわ・あき)

ライター

講談社で書籍、隔月誌、週刊誌の編集に携わったのち、2013年よりライターとして活動をスタート。インタビュー記事を中心に、雑誌や電子出版物で活躍している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

素晴らしいですね。直接日本の利益にならなくても良いし現地の人達の選択で結果的に淘汰されても良いので、現地の人達の長期的な利益になるような取組を根気よく続けていって欲しいです。人類はそうやって過去の文明から生まれた知恵を地域を越えて受け継いで来て、今の豊かさがあるのだから。(2014/07/09)

すばらしい!感動しました。お人好しの日本人。これですね。我々日本人のアイデンティティーは。こういった地道な国際協力や誠実な商売が日本の良い対外イメージを築いているのだと思います。中国や韓国の宣伝戦をみていると日本の発信力の弱さに歯痒い思いがあるのは確かですが、だからといって自分たちの成果を誇ってまわるのもまた日本人らしさを失うことに繋がるのかも。などなど考えた次第です。(2014/07/09)

“ミスターネリカ”のこころや行動力は本当に素晴らしい!大規模農場を作っても道路が無い、肥料が続かない、電機や機械を導入してもメンテナンスが出来ないと言ったはなしが多い中で、これほど真剣にアフリカの住民のことを考えているひとは珍しい♪ 感動した!!!(2014/07/09)

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三品 和広 神戸大学教授