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「英語を学ぶのは“スポーツ”と考えた方がいいですよ」

一方で異文化理解に「習うより慣れろ」は通用しない

2014年7月11日(金)

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 日本の高校を卒業後、米ハーバード大学、フランスのビジネススクールINSEAD(インシアード)で学び、その後25年近くにわたって欧州の投資銀行や国際決済銀行(BIS)、経済協力開発機構(OECD)などで年金運用のプロとして活躍。日経ビジネスオンラインで『英語の公用語化って何?』を連載して人気を博した河合江理子氏。

 その河合氏が2012年に日本に帰国して、京都大学の教授に転身。教育という未知の世界に飛び込んだ。今年4月からは京大が世界で活躍するリーダーの育成を目的として2012年に設立した全寮制の5年制大学院「思修館(京都大学大学院総合生存学館)」の教授に就任。活躍の場を広げようとしている。

 海外で積み重ねてきたキャリアを投げ打つ形で教育のフィールドに足を踏み入れたのはなぜか。そこで目指している教育の姿とは。河合氏へのインタビューを5回にわたって紹介する。

 最終回の5回目は、日本人の国際社会への向き合い方と、国際舞台で活躍する上で欠かせない英語の効果的な習得法について聞いた。

(聞き手は中野目 純一)

思修館の学生たちと語り合う河合江理子教授(写真:山田 哲也、以下同)

結局、日本人の頭の中にあるグローバル化というのは、アメリカ化、アングロサクソン化ではないでしょうか。

河合:日本で多くの方がグローバル化に反対しているのも、アングロサクソン的な熾烈な資本主義、競争主義に対する反対の色が濃いですね。ですが、ヨーロッパでは競争主義一色というわけではなくて、特に大陸のヨーロッパ諸国は、かなり社会主義的な修正資本主義的な経済モデルと思います。

 ヨーロッパでもグローバル化に対する反動も強いですし、最近の選挙でナショナリズム的な政党の台頭も見られます。日本から見ると「欧米」と一つに括って一緒に考えてしまいますが、欧州では、民族も言語も文化、宗教も考え方も違う国がモザイクのように並んでいます。例えばフランス人とスイス人なんて隣り合わせですが、時間に対する考え方も、人生に対する考え方も全然違います。

 私がヨーロッパで最後に暮らしていた街、スイスのバーゼルは、ドイツやフランスとの国境の町です。散歩をしているうちに、知らないうちに国境を越えてしまったこともありました。そんなに近接していてもそれぞれ独自の文化や風習、言語などを保ってきたことを見れば、グローバル化に対してそんなにおびえなくてもいいんじゃないでしょうか。

 例えば、「日本の小学校で英語を教えると、日本語が話せなくなる」という意見は、私には極端に思えます。スイス人はドイツ語、フランス語、イタリア語、そして最近は英語といろんな言語を話しますが、だからといって自分の母国語を失ったわけではありません。スイスのドイツ語圏ではドイツ人が理解しにくい、スイス方言のドイツ語を話します。

 グローバル化が進むと、日本人としてのアイデンティティーがなくなる。日本語が滅びる。日本人としての美点がなくなってしまう。そういった心配は、ヨーロッパを見れば無用だと思いますね。ただ絶対忘れてはいけないのは、「国語教育」の大切さです。 英語を小学校で導入するのは賛成ですが、国語教育もしっかりしてほしい。母語で論理的に書いたり、話したりできない人は、英語で論理的には話せませんし、書くこともできません。英語を教えるために国語を軽んじていては日本語の将来が心配です。

英語を覚えるのは「スポーツ」

日本人は昔から義務教育で英語を学んでいますが、実際に英語を使いこなせる人は少数です。河合さんには、以前、当サイトで「英語の公用語化って何?」という記事を連載していただきましたが、改めて日本人が英語力を高めるにはどうすればいいか伺えますか。

河合:話す、聞く、書く、読むという4つの技能をバランスよく訓練することが大切だと思います。日本人が苦手な英語を「流暢に話す」ということについては、極端な言い方をすれば、体で覚えるスポーツみたいなところがあると思うんです。

スポーツですか(笑)。

コメント2

「インタビュー グローバルキャリアを捨てて帰国 その真意は」のバックナンバー

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「「英語を学ぶのは“スポーツ”と考えた方がいいですよ」」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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