「きゃりーは日本民族の誇り」、ワーナー会長が語る快挙

 日経ビジネス7月14日号の特集「コンテンツ強国へ この“熱狂”を売れ!」で、力強く世界へと打って出る日本のコンテンツ産業を追った。表紙を飾ったのはアーティストのきゃりーぱみゅぱみゅ。今年2月、米サンフランシスコでライブをした時のワンショットだ。

 きゃりーが活躍の舞台を世界に広げている。ということは、何となくご存知だろう。だが、その内実や舞台裏は、あまり知られていない。今回、きゃりーのCDを世界展開することに成功したワーナーミュージック・ジャパン。その名誉会長を務める石坂敬一氏のインタビューをもとに、きゃりー世界進出の舞台裏を紐解く。

 「おっしゃ Let's 世界征服だ」――。耳に残るエレクトロナンバー「インベーダーインベーダー」。リリースから1年強、きゃりーぱみゅぱみゅは“世界征服”への足がかりとなるかもしれない快挙を成し遂げた。CDの世界展開だ。

 きゃりーの新作CDアルバム「ピカピカふぁんたじん」が世界15カ国・地域で同時期にリリースされる。日本・台湾・香港・メキシコでは7月9日に発売済み。その他のアジア各国、オーストラリアと続き、英仏独スペインでは21日、北米では8月12日に発売される。CDは各国でプレス生産され、それぞれ英語か中国語の対訳が付く。

 CDの世界展開は、デジタル音楽配信とはわけが違う。世界3大メジャーレーベルの1つ、米ワーナー・ミュージック・グループが、きゃりーを世界規模のアーティストとして認めた証左。この事態は日本の音楽産業にとって、いかほどのことなのか。ワーナーミュージック・ジャパンの石坂名誉会長はこう評した。

「各国が価値を認めている」

石坂 敬一(いしざか・けいいち)
68歳。東芝EMIではザ・ビートルズを手掛け、邦楽では薬師丸ひろ子、BOOWY、矢沢永吉を育てるなど音楽ディレクターとして数々の実績を残す。1994年、日本ポリグラム社長に就任。社名変更したユニバーサルミュージックでも社長、会長などを歴任し、宇多田ヒカルの全米進出などを後押しした。2011年、ワーナーミュージック・ジャパン会長兼CEOに就任、今年4月、名誉会長に退いた。2007~11年、日本レコード協会会長。2009年、藍綬褒章を受章(写真=的野 弘路、以下3点も同)

 「海外への日本のポップアーティストの進出というのは、歴史が長いんですよ。でも従来、ビジネス上の成功例はない。失敗例ばっかりですね。成功の基準は損益がプラスになること。従来はマイナス分をレコード会社が補填するというような形態が多かった」

 「私自身、1970年代からアーティストの海外進出に挑戦してきました。携わったのは、サディスティック・ミカ・バンド、クリエイション、それからフラワー・トラベリン・バンドがちょっと。海外でのライブはお客が入るが、しかし、リリース物(CD)が成功するというところまでは至っていない」

 「その意味において、きゃりーぱみゅぱみゅの15カ国・地域で同時期発売というのは、すごいことなんですね。現地の人気アーティストと同じ扱いということ。単なる輸入盤ではないと。それは、各国の現地のレコード会社が価値を認めている証拠なんですよ」

バックナンバー

著者プロフィール

井上理

井上 理

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

閉じる

いいねして最新記事をチェック

アクセスランキング

記事のレビュー・コメント

レビューレビューを投票する

とても参考になった
 

0%

まあ参考になった
 

0%

参考にならなかった
 

0%

ぜひ読むべき
 

0%

読んだほうがよい
 

0%

どちらでもよい
 

0%

いただいたコメントコメント0件

コメントを書く

閉じる