「オタク」文化にハマる欧州18歳女子の示唆

 日経ビジネス7月14日号の特集「コンテンツ強国へ この“熱狂”を売れ!」は、18歳のオーストリア人女性のエピソードから始まる。特集の見開き扉ページではコスプレをしてポーズを決めている。

 彼女を取り上げたのは、彼女が日本の「Otaku(オタク)」文化にハマる外国人ファンの象徴に思えたからだ。日本のアニメ・マンガ・ゲーム・コスプレ・アイドルに精通し、日本語も不自由なく操る。

 彼女は、なぜ日本にハマったのか。その経緯は日本のコンテンツ産業に様々な示唆を与えてくれる。

(文中敬称略)

 6月下旬、秋葉原。オーストリア・ザルツブルグ出身の女性をモデルに、特集向けの撮影を行った。彼女の名は「ケーキ姫☆優海」。2010年1月、動画サイト「ニコニコ動画(ニコ動)」に動画を投稿して以来、そのハンドルネームで活動している。

日経ビジネス7月14日号特集の扉ページに見開きで掲載したケーキ姫の写真(別カット)。コスプレは、「艦隊これくしょん」のキャラクター(写真=的野 弘路、以下同)

 やはり秋葉原は外国人の姿が多い。相変わらずメイド服に身を包んだコスプレ姿も多い。その中にあっても、人気のオンラインゲーム「艦隊これくしょん」のキャラクターに扮したケーキ姫は目立っていた。

 撮影の合間、道行く人からカメラを向けられると、快くポーズを決めるケーキ姫。実は彼女、生粋のオーストリア人でありながら、日本のアニメやアイドルにどっぷりとハマり、そのうち日本のアイドルグループの一員にもなったという異色の経歴を持つ。

きっかけは、日本製ゲームソフトのイラスト

 「あ、テイルズだ!私、めっちゃ好きなんです」。撮影ポイントを探していると、彼女はある看板を指さした。人気ゲームソフト「テイルズ オブ」シリーズのキャラクターが描かれた看板だ。

 テイルズ オブ シリーズは、彼女が日本のポップカルチャーに傾倒していくきっかけとなった思い出の作品。2003年夏に発売されたニンテンドーゲームキューブ向けのゲームソフト「テイルズ オブ シンフォニア」をクリスマスプレゼントとしてもらい、可愛らしいキャラクターやイラストに惹かれた。ケーキ姫は、こう言って笑う。

 「絵の雰囲気が気に入って、自分で描きたいと思うようになって、調べたら、同じようなイラストが日本にはいっぱいあることが分かった。そこからオタクになっていったんです」

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著者プロフィール

井上理

井上 理

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

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