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世界で注目を集める「76世代」

ニュー・リベラル・エリートが日本を変える

2014年7月17日(木)

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 世界で始まっている社会的価値観の大規模な転換について研究する「カーネギー・カウンシル」。米ニューヨークを拠点とし、国際平和や社会正義、倫理問題を研究するこの機関で、若手変革家の調査を手がけるデヴィン・スチュワート上級研究員に話を聞いた。

 スチュワート氏は2000~2003年まで日本の経済産業研究所に勤め、「ニューズウィーク」や「ウォールストリートジャーナル」などの米メディアに寄稿。今は日本の「76世代」をはじめ、世界の「ジェネレーションX」の若者が起こしつつあるムーヴメントを研究している。世界各地で新世代の変革家たちと会い、調査を続けている。

 日本では約40人の若手革命家にインタビューし、その研究結果を「フォーリン・アフェアーズ」などに発表した。日本はどんな風に変わりつつあるのか。

スチュワート氏は日本の「76世代」を調査しています。なぜ彼らを研究対象に選んだのでしょうか。

カーネギー・カウンシルのデヴィン・スチュワート上級研究員。米ジョン・ホプキンス大学で国際学の修士課程を終了。日本の経済産業研究所研究員、読売新聞記者、CSIS(米戦略国際問題研究所)の研究員を経て、2006年から国際平和や社会正義、倫理問題を研究する機関、カーネギーカウンシルで気候変動に関する米中日の対話を開始。現在は学者や思想リーダーの世界ネットワークを作る活動を行っている。米コロンビア大学と米ニューヨーク大学で国際情勢に関する教鞭を執る

スチュワート氏:どの社会のどの世代にも、それぞれの価値観があり、それは時代と共に刻々と変わっていっています。ただ大切なのは、社会のどこかの部分ではこれまでの常識を覆すような大きな「チェンジ」が起こっているということです。どの世代がそれを起しているのか。それを知るために世界の色々な国を訪ねています。

 こうした社会の変革は常にリーダーが起すというものではありません。その中で私はボトムから改革を起そうとしている人に注目しました。

 そして研究の一環で日本を訪れた。日本はこの20年、国や企業のリーダーによる適切な「チェンジ」がなかったことに、多くの国民が失望してきたのではないでしょうか。海外のジャパン・ウオッチャーたちも、日本は一体どういった形で変わるのか大変注目していました。

 日本にとって「チェンジ」は避けては通れないものでしょう。2017年には団塊の世代が70歳を迎えますし、2020年には東京五輪が開かれる。現政権は2017年以降、大企業などに対してリーダーの約3割を女性にすべきとだと要請しています。つまり、日本は2020年に向けて劇的に価値観が変わるはずです。
 世界のあらゆる機関が、ドラスティックに変わる日本で何が起こるのかを研究しています。

日本ではどんな方に話を聞いたのでしょうか。

スチュワート氏:活動家や研究者、学生、ジャーナリスト、企業のCEO(最高経営責任者)などのノン・ポリティカルなエリートたちです。彼らは「76(ナナロク)世代」もしくは「団塊ジュニア」と呼ばれていて、社会でも力を持ち始めている。

 同時に彼らは創造性が高くインスピレーションも豊かです。相互に助け合い、結束しているし、その多くがダボス会議(世界経済フォーラム)やG1サミットにも出席しています。

 何より驚いたのは、彼がみな日本を愛していることです。「愛」と言ってもそれは右翼のナショナリスト的な愛ではないし、左翼のリベラル的な愛でもない。彼らは伝統的な日本の価値観に疑問を感じつつも、個人主義を重んじ、オープンな姿勢で日本を愛している。彼らのことは「ニュー・リベラル・エリート」とでも呼べばいいのかもしれませんね。

なぜ、日本に「ニュー・リベラル・エリート」が誕生したと思いますか。

スチュワート氏:1つには、近年日本でも高まりつつある右翼的な思考への反抗があると思います。
 ニュー・リベラル・エリートも右翼も日本を愛していることに変わりはない。ですがベースが違う。前者は自信を持ち、勝者になるため恐れず新しいことに挑戦しようとしている。一方で後者は社会から不平等に扱われていると感じ、将来に対する恐れを抱いている。

 近年の歴史を見ると、議論に勝っているのは常に前者です。前向きな姿勢で変化を起そうとするから多くの人が支持をする。当然と言えば当然ですね。

 日本のニュー・リベラル・エリートの1人とも言える、NPO法人「フローレンス」の駒崎弘樹代表の言葉が印象的でした。彼は病児や病後児の保育サービスを手がけているのですが、彼が「ペシミズムにはもううんざりしている」とおっしゃった。これは非常に印象的でした。
 ここ数年、あらゆる国を訪問しましたが、どの国でも右翼的思考のベースにはペシミズムが潜んでいると感じていましたから。

 「3.11」も彼らの出現に影響を与えたと思います。東日本大震災以降、政府は国民の信頼を失ってしまった。多くの国民が次のように感じるようになったんですね。「国は頼りにならない。明日何が起きるか分からないのだから、自分たちの手で未来を作っていかなければならない」と。つまり国に依存するのではなく、自律的に考え、動く国民が増えている。

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「世界で注目を集める「76世代」」の著者

飯塚 真紀子

飯塚 真紀子(いいづか・まきこ)

在米ジャーナリスト

雑誌編集を経て、LAを拠点に、政治経済、社会、トレンドなどをテーマに様々な雑誌に寄稿。著書に『9・11の標的をつくった男』(講談社)、『そしてぼくは銃口を向けた』『銃弾の向こう側』(草思社)他がある。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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