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日本のエアコンから前面のスリットはなぜ消えたか?

  • 小林 三郎

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2014年7月31日(木)

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小林 三郎 氏(左)
中央大学大学院戦略経営研究科 客員教授。1971年本田技術研究所に入社。1987年に日本初のエアバッグの開発・量産・市販に成功。2000年にはホンダの経営企画部長に就任。退職後、一橋大学大学院国際企業戦略研究科客員教授を経て、2010年4月から現職。主な著書に『ホンダ イノベーションの神髄』、『ホンダ イノベーション魂!』など。
田子 學 氏(右)
エムテド代表取締役 アートディレクター/デザイナー。東芝、「アマダナ」(リアル・フリート)での活動を経て独立起業。現在、慶應義塾大学大学院SDM研究科特任教授、法政大学デザイン工学部非常勤講師、東京造形大学非常勤講師も務める。主な著書に『デザインマネジメント ~アップル、グーグル、アウディ、ダイソンの経営の基本はこれだ』など。
(撮影:栗原 克己)

 以前の壁掛けエアコンの前面パネルには、どっかりとスリットが入っていたことを覚えていますか。このスリットをなくしたのが田子さんたち東芝の開発チーム。デザイナーと技術者が協力して新しいデザインと、それを実現する機構を実用化した。その次の年からほとんどメーカーが真似したために、日本のエアコンからスリットが消えました。

田子前回の視野の広さに深く関連するかもしれないエピソードがあります。私は、大学を卒業して東芝に入社し、デザイナーとして13年お世話になったのですが、入社4年目にエアコンチームに配属されました。1997年のことです。

 その時に上司から「田子君、エアコンを担当するのは初めてだね。先入観がないと思うから聞くけど、君はどんなエアコンを造りたい?」と意見を求められました。真っ先に話したのは、「エアコンって、なんで前面に横のスリットが入っているんですか」という質問です。スリットがあると、デザインが大きく制限されるし、掃除もしにくい。

 しかし、これはばかな質問でもあるわけです。エアコンは、そのスリットから空気を吸い込むので、それがないとエアコンとして機能しない。そうしたら、その上司がまたすごい人で、「それ、面白いね」って言うんです。

小林:その人は偉いですね。

田子:廣井幹也さんという上司ですが、みんなからは「パパ」と呼ばれていました。廣井さんはずっとエアコンを担当していた人で、いわばスリット入りのエアコンを造り続けた人。エアコンを何も知らない僕が言ったことは、そのエアコン造りをまるっきり変える話です。それなのに、「面白い」と答える。それだけではなく、ミレニアムの2000年を象徴する製品として開発しようということになった。

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