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第1回 日本に広がる新たな飢餓

File4 日本の飢餓 阿部彩

  • 高橋 盛男

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2014年7月29日(火)

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「働いても、十分な食事がとれない人が増えている」

『ナショナル ジオグラフィック日本版』2014年8月号「米国に広がる新たな飢餓」で、そんな米国におけるワーキングプアの実態がリポートされている。

 記事の冒頭に取り上げられたアイオワ州のある家庭。夫妻には住む家があり、職にも就いている。にもかかわらず、食べ物が底を尽くことがしばしばある。そうなると、母親は3歳の息子を朝食抜きで幼稚園に送り出す。その描写が痛々しい。

 筆者のトレイシー・マクミランは、こう述べている。

「食料不安を抱える人は、2012年には全米で4800万人に達した。これは1960年代末の5倍に当たり、90年代末と比べても57%増えている」

 ここでいう「食料不安」とは、日々の食料を確保できない場合がある状態のこと。米国では、6人に1人が1年に1回は食料不足に陥っているというのである。そして、その割合は欧州諸国では、20人にひとり程度だともいう。

貧困大国といわれる米国。だが、これを対岸の火事ととらえてはいられない。

「見えない貧困」がそこにある

国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩(あべ あや)社会保障応用分析研究部部長。『子どもの貧困―日本の不公平を考える』『子どもの貧困II――解決策を考える』(共に岩波新書)、『弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂』 (講談社現代新書)などの著書がある。(以下撮影:藤谷清美)

「日本でも同様の『新たな飢餓』がすでに相当の規模で起こっている」と阿部彩さんはいう。国立社会保障・人口問題研究所の社会保障応用分析研究部長であり、貧困問題の専門家である。

 同研究所が2012年に行った「生活と支え合いに関する調査」で「食料の困窮経験」を尋ねている。それによると、過去1年間に経済的な理由で家族が必要とする食料が買えなかったという経験を持つ世帯は、14.8%にのぼる。6世帯に1世帯が食料の困窮を経験していることになる。低い数字ではない。

「貧困というと、私たち日本人がまず思い浮かべるのは、ホームレスのような人々です。衣食住の最低限を満たせない絶対的貧困層。しかし今、露わになってきている新しいかたちの貧困は、それとはかなり様態が違います。家もあれば身なりもきちんとしていて、携帯電話も持っている。ふだん接していて貧困者とはまず気づきません。しかし、実際はその日食べる物にさえ困り、借金も抱えている。そういう様態の貧困です」

 目に止まりにくい「見えない貧困」が、日本にもあるのだ。

『ナショナル ジオグラフィック日本版』本誌2014年8月号では2050年、90億人時代に向けた特集「米国に広がる新たな飢餓」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

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