• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「新人類高齢者」を知っていますか

誰もが身に付けるべき人生90年の基礎知識とは

2014年8月1日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 高齢化で世界のトップを走る日本。だが「人生90年」をどう生きるかのモデルはまだない。65歳から90歳までの多種多様なライフスタイルやニーズに対応する商品・サービスの開発、インフラや制度の整備もこれからだ。東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)の秋山弘子特任教授は、「個人と社会の高齢化」に関する問題を幅広く扱うジェロントロジー(老年学)が今後、高齢者だけでなくあらゆる人に必要な基礎知識になると言う。

(聞き手は秋山 知子)

ジェロントロジー(老年学)という学問があるということを最近まで知りませんでした。秋山先生は米国の大学で長くジェロントロジーを研究しておられますが、米国では普通によく知られた学問領域だそうですね。

秋山弘子(あきやま・ひろこ)氏 東京大学高齢社会総合研究機構特任教授。1978年、米イリノイ大学Ph.D取得。87年、ミシガン大学社会科学総合研究所研究教授。97年、東京大学大学院人文社会系研究科教授。2006年、東京大学総括プロジェクト機構ジェロントロジー寄付研究部門教授。2009年から現職。写真:都築雅人

秋山:今では米国の主要な大学には研究所があります。呼び名はいろいろありますが、やっていることはどれも似ています。ジェロントロジーを内容的に大きく分けると、個人の高齢化、そして社会の高齢化。この両方を対象にしています。

 先行したのは個人の高齢化の方です。バイオメディカルの分野で、いかに寿命を伸ばすかが長年研究されてきました。20世紀後半に、日本の場合は平均寿命が30年も伸びました。同時に出生率が低下して少子高齢化になりました。社会の中に高齢者が占める割合が高くなるといろいろな社会問題が起きてきます。あらゆるインフラが、人口の年齢構成がピラミッド型だった時代のものなので、社会ニーズに対応できなくなってきて、そのあたりから個人と社会、両方の高齢化について研究するようになりました。

 当初は長寿化とか、老化をいかに抑えるかばかり研究していましたが、今や日本人の平均寿命は男性は80歳、女性は87歳です。寿命を伸ばすよりもどう生きるか、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)をいかに高めるかの方にシフトしてきました。QOLは医学だけでは解決できません。心理学や工学、建築・デザイン、経済学など、非常に学際的な学問になってきました。

 現在、ジェロントロジーの研究教育活動を行っている東京大学高齢社会総合研究機構(IOG:Institute Of Gerontology)には、様々な領域の専門家が80名以上かかわっています。

そのIOGが作成されたテキスト『東大がつくった高齢社会の教科書』を拝見して、カバー範囲の広さにびっくりしました。これだけ分野横断型の研究というのは縦割り構造の日本の大学ではなかなか難しいと思います。世界で最も急速に高齢化が進んだ割に、日本でジェロントロジーへの取り組みが遅れたのはそうした理由でしょうか。

秋山:それもあります。日本同様、ヨーロッパの伝統的な大学でも横断的な部門は作りにくいようです。米国の大学は比較的、部門のスクラップ・アンド・ビルドがやりやすいので先行したという面はあるでしょう。

 もう一つ、こういう学問は何か課題があるからできるものです。日本の場合は寿命が伸びて高齢者が増えましたが、基本的に家族が面倒を見るという伝統があったので、社会問題として顕在化したのが遅かったと思います。米国は基本的に高校を卒業したら高齢者も含めて自立して生活するのが当然と考えられており、高齢者の問題が早く顕在化したということがあるでしょうね。

コメント4件コメント/レビュー

全面的に同意できる内容でした。私は50代の男性ですが、ここ数年でPTA活動がきっかけとなり、地元のコミュニティに積極的に参加するようになりました。参加してみると他業種や自営の方と話す機会も増え、自身の視野が広がり世の中を見る目が変わりました。文中にもある通り、サラリーマンの多くは地元に友人がいません。結果、退職後は家でゴロゴロ(出かけられるところがない)になりかねません。40代や50代になったら、ボランティアでも趣味のサークルでも自治会や防災会でも何でも良いので地元との繋りを意識的に増やすのは人生を豊かなものにするものと感じます。マクロな見方ばかりでなく自分を振り返ってミクロな視点で考えるのも意味のあることだと思います。(2014/08/05)

「キーパーソンに聞く」のバックナンバー

一覧

「「新人類高齢者」を知っていますか」の著者

秋山 知子

秋山 知子(あきやま・ともこ)

日経ビジネス副編集長

1986年日経BP社入社。日経コンピュータ、日経情報ストラテジー、日経アドバンテージ、リアルシンプル・ジャパンの編集を担当。2006年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

全面的に同意できる内容でした。私は50代の男性ですが、ここ数年でPTA活動がきっかけとなり、地元のコミュニティに積極的に参加するようになりました。参加してみると他業種や自営の方と話す機会も増え、自身の視野が広がり世の中を見る目が変わりました。文中にもある通り、サラリーマンの多くは地元に友人がいません。結果、退職後は家でゴロゴロ(出かけられるところがない)になりかねません。40代や50代になったら、ボランティアでも趣味のサークルでも自治会や防災会でも何でも良いので地元との繋りを意識的に増やすのは人生を豊かなものにするものと感じます。マクロな見方ばかりでなく自分を振り返ってミクロな視点で考えるのも意味のあることだと思います。(2014/08/05)

私は介護事業に携わっている40代後半の男性です。秋山先生の話はどれもが同感です。これからいわゆる生産労働者層は減少していくので、その事ばかりを気にして人がいないのなんのと騒ぐ人が多くいます。でも、日本には65歳以上の有能な人の大集団層が存在しています。この層をそもそも生産労働層とみていないのがとても腹立たしく感じる時があります。例え仕事があったとしても、雑務とか若い人が選択しないような仕事とか、第一線ではない仕事とか。でも、知識もパワーも生産労働者層と言われる若年には勝っても劣りません。このパワーを活用する仕組みを作らない限りは、日本の未来はないと思って奮闘中。この記事は自信につながりました。(2014/08/02)

私は30代前半ですが、もう長きにわたってボランティアリーダーとして10代~80代の方々と活動しています。主戦力は60代、70代。みなさん本当に元気ですね。ただボランティアも経験を活かした就労もそうですが、優れたスキルやノウハウよりも「人の良さ」と「日本的な和(協調性)」がある人が最後まで輝いているように感じます。その辺、男性はちょっと心配です。それから引っ張りすぎず従属すぎない「適度なリーダーシップ」を持つ方がもっと必要です。この辺は女性にもっと身に着けて欲しいです。(2014/08/01)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

2018年のヒット商品は食・睡眠・運動の3つを中心に動いていきます。

髙田 明 ジャパネットたかた創業者