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宝塚が、乙女ゲームに負けてる場合じゃない

宝塚歌劇団演出家 小柳奈穂子さん 第2回

2014年10月14日(火)

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―― 本邦3人目の女性演出家候補として、宝塚歌劇団に入団した小柳さんは、演出助手を経て、実験的な「宝塚バウホール」の脚本と演出でデビューの後、2011年に、いよいよ大劇場でのデビューが決まります。

「夢の世界」へと来訪者をいざなう宝塚大劇場

小柳:大劇場デビューまでは10年以上かかりましたが、その間に私はすごくたくさんのビジネス書を読んだんです。

―― 演劇、舞台方面ではなく、ビジネス書ですか。

小柳:はい。ずいぶん早いうちに「日経ビジネスオンライン」の会員にもなりました(笑)。

―― 意外なところにお得意さまが……ありがとうございます。どんなビジネス書を読まれましたか。

小柳:いちばん参考になったのが、『佐藤可士和の超整理術』(日本経済新聞出版社)ですね。あと、ビジネス書というよりライフスタイル寄りですが、『暮しの手帖』編集長の松浦弥太郎さんの『今日もていねいに』など一連の本や、伊賀泰代さんの『採用基準』などを愛読しました。

―― 『佐藤可士和の超整理術』は、2007年のベストセラー。松浦さんの本は、日々の心の保ち方、美しい自己管理といったテーマですよね。なぜ、それらに興味を持たれたんですか。

小柳:歌劇団で演出助手を務めている時から、やりたいことと、仕事で求められることとのバランスについては、ずっと考えていたんです。もちろん舞台を作っていく仕事ですから、「このテーマを、私だったらこういうふうにやりたい」という思いは強いんです。でも、可士和さんの本にあった「答えは相手が持っている」という一文にハッとしてから、自分の思い描く通りに舞台化するというよりは、少し引いた目線で、舞台全体にバリューを作り出すにはどうしたらいいか、と考えるようになったんです。

―― つまり、プロデューサー目線を獲得したんですね。クリエーターはえてして、目の前の創作に夢中になって、プロデューサー的な視点はなかなか持てないものですが。

小柳:その視点を意識するようになったのは、あるゲームにハマったからでもあるんです。

―― ゲーム?

「ときメモ」のGirl’s Sideで時空の歪みへ

小柳 奈穂子(こやなぎ・なおこ)/宝塚歌劇団演出家
1976年、長野県に生まれ、4歳から10歳まで大阪、以降は東京で育つ。慶應義塾大学文学部3年の1998年に、宝塚歌劇団嘱託の演出助手に採用され、99年に同劇団に入団し制作部に配属。2002年、宝塚バウホール公演「SLAPSTICK」で演出家デビュー、11年、「めぐり会いは再び」で大劇場デビュー。15年は新年の幕開け公演「ルパン三世」の脚本・演出を担当する。(写真:樋口 とし、以下同)

小柳:私はもともと、どっちかというとオタク系で、ゲームも少しは、やっていましたが、本とか漫画とか、映画、演劇方面の方にずっとハマってきた人間だったんです。それが、たまたま道でばったり会った知人に、「これ、面白いからやってみたら?」と教えられて、コナミの「ときめきメモリアルGirl’s Side」という乙女ゲームを知り、実際にやってみたら、違う世界が開けてきて。

―― 乙女ゲーム?

小柳:「ときめきメモリアル」のシリーズは、男性向けの恋愛シミュレーションゲームで、「ときめきメモリアル Girl’s Side」は、その女性向けバージョンになっています。そういった女性向けを総称して、「乙女ゲーム」と呼ぶんです。で、ゲームを始めたのは7月だったはずなのに、終わって世の中を見てみたら、なぜか9月になっていた、と。

―― 時空をワープしたんですか。

小柳:「あれっ、もう9月?」って、8月が吹っ飛んでいました。

―― そんなに深くハマれるんですか。

小柳:そうなんです。

―― 恐ろしい。

小柳:恐ろしかったですけど、「こりゃ売れるわ」と思いましたね。だって、世の中にこれほど女性が何を喜ぶかを調べ、考え抜き、女性のために作られたジャンルがあったのか、と心から感心しましたから。

―― それって、もろ、タカラヅカのお株じゃないですか。

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「宝塚が、乙女ゲームに負けてる場合じゃない」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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