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社長は悪人でも務まる。利益を出す力があれば

吉越浩一郎氏に聞く

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2014年9月22日(月)

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 かつてトリンプ・インターナショナル・ジャパンを19期連続増収増益に導いた吉越浩一郎氏が、新たに『社長の掟』を出版した。組織のトップに必要不可欠な要素を60の掟にまとめたという。「社長に崇高な人格など必須ではない。絶対に必要なのは利益を上げ続けることができる実力」と吉越氏は強調する。伝説の経営者が考える「結果を出す社長の要件」とは。

ユニクロの柳井正会長兼社長が役員会および部長会議で「『社長の掟』を買って読むように」と社内に指示したとか。

吉越浩一郎(よしこし・こういちろう)氏
吉越事務所代表。1947年千葉県生まれ。ドイツ・ハイデルベルク大学留学後、72年上智大学外国語学部卒業。メリタジャパンなどを経て、83年トリンプ・インターナショナル(香港)に入社。86年からトリンプ・インターナショナル・ジャパンに転じ、92年から2006年まで社長を務める。この間、COO(最高執行責任者)としての副社長時代を含め19期連続増収増益を達成(写真/鈴木愛子、以下同)

吉越:「60の掟全てが世界標準の経営の原理原則であり、理解するだけでなく、実践するように」と話してくださったそうです。素直に嬉しく思いました。

「掟」とはまた強い言葉ですね。

吉越:この本では、私自身の経営者人生を通して、組織のトップに立つために必要不可欠と確信した要素を社長の掟として挙げました。あえて掟という強い言葉にしたのには理由があります。社長業では格好いいことばかりでなく、ときになりふり構わずやらなければならないことが多々ある。だから「心構え」とか「流儀」といった優雅な言葉は、現実に合わないのです。

 掟の一番目に、社長に唯一求められる能力を挙げました。何だか分かりますか。優れたコミュニケーション力か、豊かな教養か、それとも強いリーダーシップ、カリスマ性、国際感覚でしょうか。いずれも備わっているにこしたことはありませんが、違います。

社長には「何があっても利益を出す力」があればいい

 トップに絶対的に必要なのは「何があっても利益を出し続ける実力」です。資本主義の基本原理は拡大再生産です。常に利益を出し、成長し続けるというのが企業の宿命だとすれば、社長はそれに無条件に責任を持たなければならない。さもないと下で働く社員が一番苦労することになります。

 この単純な事実は意外と見落とされています。極端なことを言えば、合法的で倫理にかなった方法で会社の業績を伸ばすことさえできれば、スティーブ・ジョブズの例を挙げるまでもなく人格的に少々難ありでも構わないのです。

 社外取締役の果たす役割が最近よく論議されていますが、スピードを落とすことになる「会社の民主化」などはとんでもない話で、社外取締役がただ1つやるべきことは、売り上げを上げられない社長を冷徹にクビにすることだと思っています。

 よく不景気だとか円高とか自分の力では変えられないこと、「与件」を言い訳にする経営者がいます。それを口にした時点で社長としては無条件に失格ということです。

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