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“瞬間湯沸かし器”で僕はトコトン損をした

第2回:周囲をその気にさせるのが経営者の役割

2014年9月12日(金)

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 2013年4月に東証マザーズに上場を果たしたオークファン。率いるのは武永修一社長だ。彼は学生時代に起業して輸入・リユース事業をネットで展開し、2007年に会社を売却。同時期にIT企業を新たに興し、昨年東証マザーズに上場させた。

 今回はかつて“瞬間湯沸かし器”のようだった時代の経験を通して学んだ、経営者のあるべき姿について語る。

 こんにちは。オークファンの武永修一です。

 前回の最後に、自分が“瞬間湯沸かし器”のようだったという話をしました。今回はこの点から自分が学んだことをお話ししましょう。

 私のこれまでの性格は、非常に細かくて怒りっぽい。部下が思ったように仕事ができていないと、机をバンッと叩いて声を荒げてしまうことが多かった。しかも、ついさっきまでニコニコと笑いながら報告を聞いていたのに、たった一言で一瞬にして怒りだす。それが瞬間湯沸かし器という不名誉な呼び名の由来です。

かつては“瞬間湯沸かし器”だったと話す武永社長(写真:菅野勝男。以下同じ)

 当時の私は、「自分のほうが正しいことを言っているんだから、怒って当然だ」という意識がどこかにありました。

 当然、こんな姿勢で接していたことが原因で、優秀なスタッフが会社を去ってしまったこともあります。

部下のミスを、その場で20個も並べ立てた

 もう4、5年前の話なのですが、中途で入ってもらった社員がいました。最初はいろいろな打ち合わせに同行したりビジョンを熱く語りあったりして、とても期待していました。そのため、最初から良い待遇を用意し、部下も持たせました。「この人ならうまくマネジメントしてくれるだろう」と一安心していたのです。その後は、自主性に任せるという大義名分の下、しばらく放置していました。

 放置の結果、数カ月経っても目に見える結果が出てこない。加えて、部下からの評判がすこぶる悪い。本人と話してみても「大丈夫。やっています」という答えのみ。次第に彼に対する不信感が募り、イライラし始めました。

 そんな中、ある会議で私のイライラが爆発しました。彼が仕事でミスをしたときに、私は矢継ぎ早に「前にもこういうミスをしたよね」「別のときにはこういう話をしていて出来なかったよね」と過去のミスや行き違いを並べ立ててしまったのです。20個は出しましたし、しかもそこでの指摘はすべて正しいと確信していました

 記憶力がいい方なので、細かいことまで正確に覚えています。そのため、カッとなると自分の立場を盾にして、正論をぶつけてしまう悪い癖がありました。

 結局、彼はほどなくして辞めてしまいました。私が感情に任せて行動したために彼を辞めさせてしまった。ほかの従業員も動揺し、会社にとっては大きな損失です。正論ではあっても、これでは誰も得をしていません。

 ほかにも、部下が苦労してまとめてきた商談が、私が怒りを抑えられなかったために破談になったこともあります。

 これも何年も前のことですが、契約を結ぶタイミングで初めて、私は先方の社長と会いました。無事に話もまとまり、エレベーターに乗るかどうかというタイミングで先方から浴びせられた一言がきっかけです。「しっかりやってね。俺からしたらお金を恵むようなものなんだから」というものでした。

 現在であれば、「はい!がんばります!」とでも応じて、エレベーターの中で悪態をつくだけで済むくらいには自分をコントロールできますが、当時は違いました。「恵むってどういうことですか」と食ってかかってしまった。こうなると売り言葉に買い言葉で、先方も怒りだして、結局は破談です。

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「“瞬間湯沸かし器”で僕はトコトン損をした」の著者

武永修一

武永修一(たけなが・しゅういち)

オークファン社長

1978年生まれ。京都大学在学中に個人事業としてネットオークションを始める。2004年にデファクトスタンダード設立。07年に会社分割でオークファンを設立し社長に就任。13年4月に東証マザーズ上場。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長