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カジノ解禁で潤うのは誰か?

1兆5000億円市場の皮算用

2014年9月16日(火)

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 今秋の臨時国会で、超党派の国際観光産業振興議員連盟(IR議連)が中心となって提出した「統合型リゾート推進法案(カジノ法案)」の成立が予想されている。ホテルや国際会議場、カジノなどのエンターテインメント機能を備えた統合型リゾート(IR)施設を作り、外国人観光客を誘致し、地域の活性化や税収の向上を図ろうという狙いだ。

 外資系投資銀行のリポートには「1兆5000億円市場」といった試算の文字が躍り、東京、大阪、沖縄などが候補地として挙がっている。一方で、ギャンブル依存症の増加や治安の悪化など、「負の側面」を指摘する声もある。

 ここでは経済効果や地域活性化の観点から、「カジノ解禁」で思惑通りの果実を得られるのかどうかを探るため、海外のカジノ事情に詳しいジャーナリストの出井康博氏に話を聞いた。出井氏は「善良な外国人観光客が増加し、湯水のようにカネを落としてくれるなどという、そんな甘い話はない」と言い切る。

(聞き手は西頭 恒明)

秋の臨時国会で、いわゆる「カジノ法案」の成立が見込まれています。円安や2020年の東京五輪開催という追い風もあって、このところ外国人観光客の増加が目立っています。1兆5000億円市場という試算もあるようですが、「カジノ解禁」によってさらに外国人観光客が増え、経済効果が得られるのでしょうか。

出井: 1兆5000億円というのは米シティグループが昨年8月に発表したリポートに出てきた数字です。東京は都知事が難色を示していますが、この東京と大阪、沖縄の3カ所にカジノができた場合、収入(客の負け分)を「年間約134億ドル~150億ドル(約1兆3400億円~1兆5000億円)」と試算しています。

 ほかにも米系投資銀行のゴールドマン・サックスが同じく1兆5000億円市場と見積もっていますし、ある仏系の投資銀行に至っては約4兆円と試算しています。IR施設全体の経済波及効果については約7兆円とする予測もあります。

出井康博(いでい・やすひろ)氏
1965年岡山県生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、英字紙記者を経てフリーのジャーナリストに。著書に『松下政経塾とは何か』『長寿大国の虚構―外国人介護士の現場を追う―』など

 私はこれまでマカオやシンガポールのカジノを取材してきましたが、この市場規模予測は極めて根拠が乏しく、説得力がないとみています。さらに試算の前提自体が、多くの人が想定しているカジノの姿とは全く異なっているんです。

 シティグループのリポートを詳しく見ると、1兆5000億円の市場規模のうち、外国人客からの収入は約33億ドル(約3300億円)に過ぎません。残りの8割近くは日本人客という想定なんです。1兆5000億円という数字を独り歩きさせているカジノ推進派も、なぜかこの部分には全く触れようとしません。

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「カジノ解禁で潤うのは誰か?」の著者

西頭 恒明

西頭 恒明(にしとう・つねあき)

日経ビジネス副編集長

1989年4月日経BP社入社。「日経イベント」を経て、96年8月「日経ビジネス」編集部に異動。2008年10月日経ビジネス副編集長。2009年1月日経情報ストラテジー編集長。2012年1月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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