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ロボットと人間が一体化する時代が来る

サイバーダインの山海嘉之CEOに聞く

2014年9月24日(水)

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 米グーグルからアマゾン・ドット・コムまで様々な企業が関心を寄せるロボット。この分野でユニークな技術で注目を集めているのがサイバーダイン社だ。「動け」という脳の信号を検知して体に装着したロボットスーツが動き、脚などが不自由な人の動作を補助する。ドイツでは一足先に身体機能の機能改善治療に利用されている。装着し、トレーニングを重ねることで歩行速度が改善したり、生活の自立度が向上したりするなどの成果を生んでいる。山海嘉之CEO(最高経営責任者)に戦略を聞いた。

ロボットスーツ「HAL」は、サイボーグ型の動作支援ロボットです。サイボーグという言葉からは、SFに登場する人間の体の一部が機械になっているものが思い浮かびますが、どのようなロボットなのでしょうか。

山海:人間とロボットが一体となって動くのがHALの特徴です。人間の意思で動く、自分の体に装着したロボットという表現が適切かと思います。

 人間は脳から様々な信号を出して、体を動かしています。その信号は“生体電位信号”として皮膚の表面に漏れ出ています。ロボットスーツHALは、この信号を読み取って、装着者自身の脚による歩行や立ったり座ったりする動きをアシストします。「サイバニック随意制御」と「サイバニック自律制御」の2つの制御システムによって、ロボットが自分の体の一部になったかのように機能させることができ、自分の意思で動かすことができます。世界初のサイボーグ型ロボットと言えるでしょう。

 この原理そのものが特許になっています。通常、「原理」自体で特許を取ることは極めて難しいのですが、自動車や電機などあらゆる製品を含めて世界で類を見ない重要な特許であるとされ、“サイボーグ型ロボット技術の発明”として全国発明表彰を常陸宮殿下から賜りました。国内外で広く特許を取得しています。

 SFでも、このような発想のものは従来ありませんでした。しばらく前にヒットしたテレビアニメの「エヴァンゲリオン」も発想はよく似ており、このような原理のロボットは夢の世界から飛び出してそろそろ現実のものになってきているのかもしれませんね。

山海嘉之(さんかい・よしゆき)氏
1958年生まれ、岡山県出身。87年筑波大学大学院工学研究科博士課程を修了。同大学の助教授、米Baylor医科大学客員教授を経て、筑波大学大学院教授、サイバニクス研究センター長。内閣府FIRST中心研究者を終え、現在内閣府ImPACTプログラムマネージャー。2004年、研究成果を活用するために、サイバーダイン社を起業。国内外の福祉施設や病院などで導入が広がっている。2010年にロボットスーツ「HAL(ハル)福祉用」(現行モデル)の出荷を開始。2014年3月、東京証券取引所マザーズに株式を上場。(写真:竹井 俊晴)

具体的にはどのような症状の人に役立つのでしょうか。

山海:脊髄損傷や脳卒中などで脚や下肢の不自由な人の機能改善・回復に役立つと考えています。例えば、脳卒中を2度経験し、医師から自立歩行の獲得は困難との診断を受けた人が、HALを装着して機能回復のトレーニングをした後、1カ月半もするとHALを付けなくても歩行できるようになり、現在ではジョギングもできるようになりました。

 また、ポリオウイルスの感染で子供の時以来、約50年間、脚が麻痺して自分では動かせなかった人がHALを装着することで、物心がついてから初めて自分で自分の脚を動かす感覚を得ることができ、さらにHALを外しても横になってHALなしで脚を動かすことができたと報告してくれたケースもあります。

 本人の意思に応じて動く特徴を持つHALの利用によって、生体内では、脳・神経系の活動状況が変わり、機能的な神経結合を修正・促進していく。HALとは人とロボットを、神経生理学的にかつ機能的に一体化するという独特のものであり、一般的なパワーアシストロボットとは大きく異なるのです。HALは日本主導による世界初のロボット治療機器でもあります。

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「ロボットと人間が一体化する時代が来る」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス記者

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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