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第6回「日本版IRの法制化における問題点」

講師:森・濱田松本法律事務所 弁護士、林 浩美氏

2014年9月25日(木)

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 今秋の臨時国会で、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(IR推進法)」が審議に入る予定になっている。審議を経て法案が成立すると、それから1年以内に「特定複合観光施設区域実施法(IR実施法)」が作られる。

 法治国家では法律の元にあらゆるビジネスが展開される。これまで日本になかったIRという新しい施設がビジネスとして適正に運営されていくには、法制化するうえでどのような課題が想定されるのか。林浩美弁護士に話を伺った。

林 浩美(はやし・ひろみ)
森・濱田松本法律事務所弁護士。東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行勤務。その後東京大学法学部を卒業し、2001年に弁護士登録、第二東京弁護士会所属。2006年ハーバード大学ロースクール卒業、2007年ニューヨーク州弁護士登録。2008年までDavis Polk & Wardwell法律事務所で勤務。主な著書、論文に“The International Comparative Legal Guide to:Telecoms,Media and Internet Laws and Regulations 2014”、『論点体系 会社法5 社債、組織再編I』など。

IRの中でも特にカジノが社会に与える影響について注目が集まっています。その点、法律ではどのような規制が行われるのでしょうか。

:始めに現状を整理しましょう。現在、今秋の臨時国会で「IR推進法(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)」が議論されると言われていますが、IR推進法はIRを実施するための「IR実施法(特定複合観光施設区域実施法)」を作るための法律です。

 どのような法的な枠組みを作るかは、IR推進法で一定の枠組みが示されていますし、超党派の議員連盟(いわゆるIR議連)による「IR実施法案に関する基本的な考え方」の中で、IR実施法をどういう方針で作っていくか、という考え方が示されています。しかし法律的に何をどういう手段で規制するかは、現時点でまだ何も決まっていません。その前提で話を進めさせてください。

IR実施法案は特別法の集合体となる

IRに関してはギャンブル依存症にどう対処するかが大きなテーマになってきています。その点についてはどうお考えですか。

:先ほど申し上げた「IR実施法案に関する基本的な考え方」は、法案とは別のものですが、これによれば、第3項の「社会的関心事への対応」の中で、暴力団組織の排除、マネーロンダリング防止と並び、「賭博依存症患者の増大を防止し、その対策のための機関を創設する」とのことです。

 そこでは、現時点でも賭博依存症という社会事象が存在することを認めたうえで、それを含む形で国として対策を早急に行う必要があるとしています。

 そのうえで社会的セーフティネットを構築するため、依存症問題対応のための機関を作ると同時に、先進諸外国で行われている「自己排除プログラムならびに家族強制排除プログラム」(賭博依存症の症状がある本人やその家族の要請に基づき、当該顧客がカジノに立ち入ることを禁止する予防措置)については、導入を積極的に検討するものとするとしています。

6月の通常国会から秋の臨時国会で継続審議となった「IR推進法」
全文は衆議院のホームページでも読める

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「第6回「日本版IRの法制化における問題点」」の著者

鈴木 昭

鈴木 昭(すずき・あきら)

海外事業戦略室プロデューサー

「日経エンタテインメント(週刊)」記者、「日経click」編集長、開発室部長、経営企画室マネジャー等を経て、海外各国と新規事業開発、NBO「観光イノベーション」編集を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

井上 健二

井上 健二(いのうえ・けんじ)

フリーランスライター

フリーランスライター。マガジンハウス「ターザン」、「クロワッサン」、幻冬舎「ゲーテ」等の取材執筆、単行本の企画執筆を手掛ける。著書『あの社員はなぜNo.1なのか』(マガジンハウス)ほか。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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