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「米国の訴訟費用は半減できるのに…」

元自衛官の守本正宏UBIC社長の理想と現実

2014年9月25日(木)

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 企業活動のグローバル化に伴い、日本企業が海外で訴訟に巻き込まれるケースが増えてきた。とりわけ「訴訟大国」と呼ばれる米国では、裁判に関わる費用が増大している。企業内で扱う電子データが爆発的に増えた結果、裁判の証拠資料を提出するための「ディスカバリー(情報開示)」作業の負担が激増しているからだ。データ量を文書に換算すると、1GB(ギガバイト)で電子メール1万通に相当する。20GBの資料をA4用紙に印刷したとすると、100階建てのビルの高さに匹敵する。

 これだけの資料を人の目でチェックするのは物理的に極めて困難だ。そこでITを活用して訴訟に関係のある書類だけをピックアップする作業が不可欠となる。こうした訴訟支援業務を担うのが「リーガルテック企業」であり、米国には既に1200社が名を連ねている。市場規模も60億ドル(約6540億円、1ドル=109円で換算)を突破している。

 日本でもUBIC(東京都港区)がAI(人工知能)を活用した訴訟支援事業を展開している。そこで元自衛官で同社を設立した守本正宏社長に、日本企業も注視せざるを得ない米国の訴訟実態について聞いた。

(聞き手は坂田 亮太郎)

日本企業が米国で訴訟に巻き込まれたケースとして特に印象に残るのが、2010年にリコール問題でトヨタ自動車が訴えられたケースです。最終的には和解金を支払うことで合意しましたが、訴訟費用は多額になったと言われています。また最近でも武田薬品工業が糖尿病治療薬「アクトス」の発がんリスクを隠していたとして、米連邦地裁の陪審から60億ドル(約6100億円)もの懲罰的賠償金の支払いを命じる評決が話題となっています。

守本:そうです。

今日は「日本企業も米国での訴訟リスクに備えるべきだ」という趣旨のことをお伺いすることになりますが、UBICは訴訟支援に関わる仕事をしているので、読者に記事の内容が宣伝だと受けとめられてしまうことを危惧しています。そのため極力、事実ベースで話して頂きたいと思います。

守本 正宏(もりもと・まさひろ)
1966年大阪府豊中市生まれ。89年防衛大学校(理工学部電気工学科)卒業後、海上自衛隊に幹部通信士として任官(護衛艦勤務)。退任後、95年に半導体製造装置メーカーのアプライド マテリアルズ ジャパン入社。2003年8月にUBICを設立、代表取締役就任。2007年6月に東証マザーズ上場、2013年5月に米NASDAQ上場(写真:北山宏一、以下すべて)

守本:分かりました。

まずお伺いしたいのは、なぜ御社は訴訟支援事業に取り組まれるれるようになったのでしょうか。

守本:きっかけは、私が防衛大学校時代の先輩から「米国で訴訟支援サービスが広がっている」という話を聞いたのが始まりです。自分でも興味があったので調べてみたら、米国にはリーガルテクノロジーというものがあるのに日本にはないことが分かりました。

 日本企業は世界中に飛び出ている。だから訴訟に巻き込まれることも少なくないのですが、訴訟沙汰になると米国の弁護士に丸ごと依頼してしまうケースがほとんどです。そうなると企業は重要な情報も証拠として米国に送ってしまい、向こうで解析されてしまいます。これは良くないと感じて、日本でも同様なサービスが提供できないかと考えたのです。

 訴訟と聞くと弁護士が裁判所で議論を戦わせている場面をイメージしがちですが、それは表舞台に過ぎません。むしろ裏舞台で膨大な作業をこなさなければなりません。米国で裁判となると原告企業も被告企業も証拠資料を徹底的に開示させる「証拠開示」が求められます。

 これを「ディスカバリー制度」と言うのですが、そのためには企業が社内にある資料の中から証拠となる資料を抽出し、中身を分析して訴訟戦略を立て、そして必要な資料だけを相手に提供するというプロセスを経なければなりません。情報開示を求められるのは米国での訴訟だけではなくて、欧州委員会が実施するカルテル調査でも同じです。

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「「米国の訴訟費用は半減できるのに…」」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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