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整理整頓をめぐる社長と社員の「5年戦争」

第3回:化かし合いの末の勝利に達成感なし

2014年10月6日(月)

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トラック運転手の間で「心癒される運搬先」と評判の産業廃棄物処理会社、石坂産業。搬入業者を迎えるため、秋には地元特産の「川越いも」を石焼きイモにしてエントランスで販売。武蔵野の里山に生える草花を飾り、五感で四季を感じさせる。社員のホスピタリティーの高さは、経済産業省の「おもてなし経営企業選」に選ばれたほど。しかし、ここまでの道のりは長かった。異色企業を率いる2代目経営者、石坂典子社長が、かつての難局を振り返る(前回の記事はこちらをご覧ください)。

「またあの小うるさい女社長が来たよ……」
「うわっ、逃げろ、逃げろ」

 そんなささやき声が聞こえるような気がしました。

明るい笑顔の中にも、意志の強さがのぞく(写真:菊池一郎)

 午後3時、社長の私が工場に足を踏み入れた途端、社員の顔色と動きがサーッと変わります。

 ある者は読みかけのマンガ雑誌をそそくさと隠し、小難しい顔を作って計器をのぞきこむ。またある者は、取り澄ました顔で、逃げるようにその場から立ち去る。

「やれやれ……」と、肩を落としそうな気持ちをグッとこらえ、私は声を張り上げます。

「そのマンガは何? 没収します! 必要なら、私のところに後で取りに来なさい」

 そんなことを何度も何度も繰り返す毎日が、5年ほど続きました。

 どうしてこんなことになったのか。それを説明すると今回もまた、紆余曲折の続く、長い話になるのですが……。

「ゴミ処理の品質」って、何?

 崖っぷちに立たされた産廃会社の社長に志願してなったのは、前々回の通り。その翌年、環境のISO14001、品質のISO9001、労働安全衛生のOHSAS18001という、3種類のマネジメントシステムの国際規格を同時取得しました。その過程で、社員の大量造反を招いたドタバタ劇は、前回、ご紹介しました。

 最初に目指したのは、環境のISO14001だけでした。理由は単純。産廃をリサイクルした資材という、私たちの“製品”を買い付けるお客様からのウケを良くしたかったからです。

 なのにどうして、2つも追加して取得することになったのか。高いお金をコンサルタント会社に払ってまで、です。それは「同業他社のしていないことをやれ」という、創業者の父の強い意向があったから。ISO14001は、日本国内での普及のスピードが早く、私たちより先に取得していた同業者が結構いたのです。だから、ISO14001だけでは、私たち親子が何より嫌う「他社の単純なモノマネ、後追い」になってしまう。そこで目を付けたのが「業界初」を高らかにうたえる、複数の国際規格の同時取得、統合運用だったというわけです。

 しかし私は最初、うちの会社が品質のISO9001を取れる実感が、どうしても持てませんでした。

 だって、クルマや食べ物の品質というなら、すぐにイメージが湧きますが、「ゴミ処理の品質」って、一体何よ???

 考えるほど、頭の中にクエスチョンマークが渦巻きます。

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「整理整頓をめぐる社長と社員の「5年戦争」」の著者

石坂 典子

石坂 典子(いしざか・のりこ)

石坂産業社長

1972年東京都生まれ。高校卒業後、米国への短期留学を経て、父親が創業した石坂産業に入社。2002年社長就任。現在、2児の母。13年、同社は経済産業省の「おもてなし経営企業選」に選ばれた

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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