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「わからないからわかるようにしてくれ」

内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室 「ひたすら話を聞き、質問を繰り返しました」

2014年10月7日(火)

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遠藤紘一・内閣情報通信政策監(政府CIO)(右)と日高信彦・ガートナー ジャパン 代表取締役社長(写真:深澤 明、以下同)

 リコー副社長だった遠藤紘一氏が「政府CIO(最高情報責任者)」という日本史上初めてのポストに就いて2年、霞が関の情報システムを巡る改革はどこまで進んだのか。遠藤氏が実践したのは、ひたすら話を聞き、質問すること。「1回1.5時間から2時間のヒアリングを140回はした」。その効果はどうか。ITリサーチ大手、ガートナー ジャパンの日高信彦社長が尋ねた。

(構成は谷島宣之=日経BPビジョナリー経営研究所研究員、中村建助=ITpro編集長)

日高:政府CIO(最高情報責任者)というのは日本史上初めてのポストで、遠藤さんが一人目です。内閣官房に所属しているわけですが、どういう意味があるのでしょう。

遠藤:霞が関には縦割りの予算は沢山あるけれども、縦割りであるがゆえに、うまくいっていないこともある。それを何とかしたい、IT(情報技術)をうまく使ってやれないか、との意向から内閣官房の中にこの職責ができました。

 内閣官房の中にある部署は、既存の省庁に属さない仕事に取り組み、日本国政府を一本化して、より早く、良い成果を出すためにそのつど置かれます。さらに政府CIOは法律で決められた役割で法的に権限が与えられている。ですから横並びの省庁同士で言いにくいことでも、私の立場からは言えるわけです。

日高:遠藤さんは2012年8月10日に政府CIOになった。この時の正式名称は「政府情報化統括責任者」でしたね。そして2013年5月24日に「内閣法等の一部を改正する法律(政府CIO法)」が施行され、2013年6月4日から内閣情報通信政策監になられた。

 同じ政府CIOという通称でも、法律の施行前は非常勤、施行後は常勤・専任になった。通算するとほぼ2年、最初から振り返って、どういうことをやり、この辺まで進んできた、といったあたりから伺えますか。

遠藤:まだ大したことはやっていないのですけれども。

日高:いやいや、すごいことをされていると私は見ています。

遠藤:最初から心掛けていて、今でもそのつもりでやっていることからお話します。各省の人たちがそれぞれ、自分たちでこういうふうにやりたいというビジョンを持ってくれることが何より重要だと思っています。そうすれば、そこに向かって、自分たちで動けるようになりますから。

 そうでないと、どんなに優秀な人が上にいても、たとえ安倍(晋三)首相がこういうふうにやろう、ああいうふうにやろうと言ったとしても、ほとんど何も変わらない。事細かに具体的な指示をしない限り、物事は動かないでしょう。

日高:安倍さんが「こうだね」と何か言ったとしたら、ぱっとブレークダウンして、自分たちはこういうことをやらなければいけない、と動いてくれる人たちがあちこちに出てくればいいですね。今まではそうではなかったようです。

遠藤:特にIT関連については、相当具体的に言われてもなかなかやらない。かつてはそういう状態でした。いまだにそういう時代のことを引きずっている面がありますが、やり直ししてもらっています。

「自分のエンジンを持ってほしい」

 私はいつも「自分のエンジンを持ってほしい」という言葉を使っています。要するに頭脳のエンジンが今までなかった。いや、あったのだけれども、うっかり何か言うと、余計なことをしなくていい、今まで通りやっていればいい、そんなことを考えなくていい、と言われていたきらいがある。変化を起こすこと自体を抑制していたのですね。

 それはよくない、少しぐらい間違ってもいいからまずやってみよう、こう言っています。もちろん、ただやればいいわけではなくて、やってみた結果をできるだけ短いサイクルで確認する。大きな結果が出ているわけではないですけれど、狙った方向に合う変化が起きてきているかどうかは分かる。変化をつかまえながら、素早く軌道修正しながら、もともと狙っていたところにできるだけ早く到達する。こういうふうにしようではないかと。

日高:遠藤さんがリコー時代、様々な改革を通じてやってこられたことを霞が関でもやろうというわけですね。ただ、サイクルを回そうとしても、政府の予算は1年ごとだから、厄介ですよね。

遠藤:いわゆる単年度予算の問題はかねてより指摘されていました。ただ、ここに来て驚いたのは、その予算ですらなかなか使えないということ。予算を取ったら、普通は年度の初めから使うはずですよね。ところがそうならない。なぜかというと、予算が取れてから初めて公募をかけて何かをやり始める。すぐ3カ月ぐらい経ってしまう。

日高:予算がない段階から、動いてはいけないわけだ。すると1年どころか、8カ月ぐらいしかない。

遠藤:さすがにそれでは困るというので別なやり方を取り入れた。国庫債務負担行為と言います。何年か続けてやるテーマですと言って、予算を取れる。ところが何年かかけてやるといっても、世の中が思った通りに動いてくれるとは限らない。そうなったら、やり方を変えないといけない、本来なら。ところが、せっかく予算をもらったのだから、これをやりぬかないといけないと頑張ってしまう。

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「「わからないからわかるようにしてくれ」」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

中村 建助

中村 建助(なかむら・けんすけ)

ITpro編集長

日経デザイン、日経ストアデザイン、日経コンピュータ、日経ソリューションビジネス編集長、日経エコロジー編集長、日経ビジネス副編集長などを経て、2012年よりITpro編集長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官