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「イスラム国」との戦いは泥沼化するのか

オバマ大統領が“突然”新しい戦争をはじめた理由

2014年10月7日(火)

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 オバマ大統領は9月10日、武装勢力「イスラム国(Islamic States、旧ISIS)」の壊滅を目標に掲げ、新たな「戦争」をはじめた。

 それ以来、欧米メディアは連日、イラクとシリアでの戦争の模様を伝えている。19日に国連安全保障理事会が、イスラム国を非難する議長声明を発表したことを受け、フランスがイラクにおけるイスラム国の拠点に対する空爆を始め、英国、ベルギーやオランダも軍事作戦への参加を表明するなど、米国を支持する有志連合の輪が拡大している。

 しかしその一方で、アルジェリアのイスラム系武装勢力が「イラク空爆への報復」として仏人男性を殺害したり、フィリピン南部でもイスラム過激派集団「アブサヤフ」が人質に取っていたドイツ人2人を殺害すると警告するなど、イスラム国を支援するイスラム過激派勢力の「報復」テロも世界的な広がりを見せている。

 米国を中心とする多国籍軍による軍事作戦は「イスラム国」を壊滅させることになるのか?それとも新たな泥沼の戦争への序章となるのか?

 中東の安全保障やイスラム国の動向に詳しい国際政治アナリストの菅原出氏に話を聞いた。

(聞き手は瀬川明秀)

菅原 出(すがわら・いずる)氏
ジャーナリスト/国際政治アナリスト
1969年、東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。94年よりオランダ留学。97年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経験。会員制ニュースレター『ドキュメント・レポート』を毎週発行。著書に『戦争詐欺師』(講談社)、『ウィキリークスの衝撃』(日経BP)、『秘密戦争の司令官オバマ』(並木書房)、『海外進出企業の安全対策ガイド』(並木書房)、『リスクの世界地図: テロ、誘拐から身を守る』(朝日新聞出版)

オバマ大統領の安全保障政策に関してはこれまで連載やインタビューなどで、いろいろ紹介してきました。実は、菅原さんには3カ月前にも取材させて頂きましたが、最近まで、オバマ大統領は「他国への軍事介入には消極的」とのイメージがありました。それが、なぜいま、オバマ大統領は武装勢力「イスラム国IS」の壊滅を掲げた戦争に踏み切ったのでしょう。日本人にとっては唐突な感じがするのですが、その背景には何があったのでしょう?

菅原:オバマ大統領がイラク北部のイスラム国の拠点に対する空爆を命じたのは8月8日だったのですが、この時の作戦目標は「米国人の保護」と「人道支援」でした。この時オバマ大統領は、「米国人の職員たちを守り、山頂に追い詰められ食料や水もなく死に直面している数千ものイラク人市民の命を助ける人道的努力のために、限定された空爆作戦を行うことを命じた」と述べていました。

8月までは「壊滅」は想定してなかった?

ええ。

菅原:当時イスラム国の武装民兵たちがエルビルに迫っていました。このエルビルというのはクルド自治区の首都がおかれているイラク北部の大都市で、過去10年間、イラク国内の内乱とはほとんど無縁の独自の発展を遂げ、イラクの都市とは思えないほど治安がよく、外国企業の進出も進んでいる都市です。当時、イスラム国がエルビルまで攻撃できるほどの能力を持っているとは思われておらず、多くの専門家が「エルビル危うし」の報道に衝撃を受けました。ここには米国のビジネスマンや政府の職員だけでなく、多数の欧米人や日本人も駐在していましたので、もしここがイスラム国に占拠されるようなことになれば、多くの外国人が人質にとられたり殺害されたりするリアルな危険がありました。

 ですからこの時点での介入は、オバマ大統領が明言している通り、領事館で働く米国人外交官や文民たち、それに米軍のアドバイザーといった米国人たちを守るという自衛的なものだったと思います。当時の軍事目標も、「イスラム国のエルビルへの侵攻を止める」という防衛的なものであり、イスラム国を「壊滅」させるなどという攻撃的なものではありませんでした。しかし…。

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「「イスラム国」との戦いは泥沼化するのか」の著者

瀬川 明秀

瀬川 明秀(せがわ・あきひで)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ビジネスアソシエなどを経て、日経ビジネスオンライン開設後はオンライン編集がメインの業務。2012年からは日経BPビジョナリー経営研究所の研究員を兼務。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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